12月は、飲食店にとって一年でいちばん忙しい時期のひとつです。忘年会の予約が入り、仕入れが増え、氷も食器も、いつもの何割か多く回ります。厨房機器にとっては、一年のなかで負担が最も重い時期でもあります。

そのさなかに冷蔵庫や製氷機が止まると、食材のロスと営業停止が同時に来ます。しかも年末は、修理の依頼が重なり、部品の手配にも日数がかかりやすい時期です。だからこそ、忙しくなる前の11月のうちに、止まりそうな機器を見ておく価値があります。

この記事のポイント

1年末は機器の使用量が増え、修理の手配も混みやすい。止まる前の点検が効く

2見るのは冷蔵庫・冷凍庫・製氷機・食洗機の4種類。温度・霜・放熱・水まわりが中心

3お店では温度の記録と目視の確認を。奥の部品はプロの点検で先に見つける

なぜ年末に止まりやすいのか

機器が年末に止まりやすいのは、偶然ではありません。負担が増える理由がいくつか重なります。

庫内が詰まる仕入れが増えて冷気が回りにくくなり、扉の開け閉めも増える
氷と食器が増える製氷機も食洗機も、ふだんより長く動き続ける
止められない予約で埋まった日は、点検や修理のために営業を空けにくい

「繁忙期に入ってから不調に気づく」と、直したくても営業を止められません。そのまま騙し騙し使い、一番忙しい日に止まる、という流れがいちばん損失の大きいパターンです。止まったときの損失の考え方は、厨房機器が止まると損失はいくら?で整理しています。

年末前に点検する順番

すべてを一度に見る必要はありません。止まったときの損失が大きい順に見ていくと、時間をかけずに済みます。

1 冷凍庫・冷蔵庫止まると食材が使えなくなる
2 製氷機忘年会シーズンの飲み物に直結
3 食洗機止まると洗い物が追いつかない
4 その他ショーケース・コールドテーブルなど

冷凍庫・冷蔵庫で見ること

まず、庫内の温度を確かめます。扉を開けて「冷たい」では足りません。温度表示か温度計で、ふだんの数字と比べてください。冷えが弱っていても、扉を開けた瞬間はわかりにくいものです。

  • 温度表示が、ふだんより高い時間帯がないか
  • 庫内の壁や奥に、厚い霜や氷の塊ができていないか
  • 扉のパッキンが浮いていたり、切れていたりしないか
  • 本体の下や背面の放熱部に、ほこりや油がたまっていないか
  • 運転音が、ふだんより大きくなっていないか

庫内の温度の目安は、一般に冷蔵が10℃以下、冷凍がマイナス15℃以下とされています。機種の仕様と設定温度もあわせて確認してください。設定のしかたは業務用冷蔵庫・冷凍庫の適正温度で説明しています。

放熱部 庫内の詰め込み 冷気の通り道を残す 扉のパッキン すき間・切れ・硬化 放熱部のほこり 周りの物をどける
年末前に見る場所の例。形や部品の位置は機種によって違います

冷えが弱いと感じたときの原因の見分け方は、業務用冷蔵庫が冷えない原因にまとめています。放熱部の掃除はフィン掃除のやり方をご覧ください。

製氷機で見ること

製氷機は、氷が足りなくなって初めて不調に気づくことが多い機器です。忘年会の時期に氷が足りなくなると、飲み物の提供に直接響きます。

製氷機の確認

  • 1回の製氷でできる氷の量が減っていないか
  • 氷が小さい、白く濁っている、つながっていないか
  • 本体の下や周りに水がたまっていないか
  • 氷の取り出し口や貯氷庫に、ぬめりや汚れがないか
  • 運転音に、これまでと違う音が混じっていないか
  • 放熱のすき間が、箱や備品でふさがれていないか

氷の量が減る、小さくなる、といった変化は、故障の前ぶれのことがあります。掃除の頻度は製氷機の掃除・洗浄の頻度と方法を参考にしてください。氷ができなくなったときは製氷機で氷ができない原因をご覧ください。

食洗機で見ること

食洗機は、洗い上がりの変化でサインが出ます。「いつもより汚れが残る」と感じたら、年末の前に手を打っておきたいところです。

気づいたこと 考えられること まずやること
洗い上がりに汚れが残る ノズルの詰まり、温度や洗剤の不足 ノズル・ゴミ受けを洗い、洗剤を確認
洗浄の開始までに時間がかかる お湯の温度が上がりにくい 温度表示を確認し、点検を相談
扉や下から水がにじむ パッキンの傷み、ホースの接続 使用をやめて点検を依頼
排水が遅い、においがする 排水口や排水ホースの汚れ 清掃し、改善しなければ点検

水漏れは、放置すると床や周りの機器まで傷める場合があります。見つけたら食洗機の水漏れの原因と応急処置を参考に、早めに対応してください。

お店の確認と、プロの点検の分担

お店でできる確認だけでは、どうしても見えない場所があります。分担を整理すると、次のようになります。

お店でできること

  • 庫内温度を毎日同じ時間に見て記録する
  • 霜・パッキン・水たまりを目で見る
  • 周りの物をどけて放熱のすき間をつくる
  • 製氷量や洗い上がりの変化をメモする

プロの点検で見ること

  • 放熱部の奥の汚れと清掃
  • 冷える仕組み全体の働き具合
  • ファン・ヒーター・ポンプなどの動作
  • 電気まわりと水まわりの状態

カバーの奥は、外さないと状態が分かりません。無理に分解すると、故障や感電のおそれがあります。日常の点検の項目は厨房機器の日常点検チェックリストにもまとめています。

年末年始の休業前にもう一度

営業の最後の日には、休業前の止め方も確認します。冷蔵庫や冷凍庫は止めずに、製氷機は水抜きをして止めるなど、機器ごとに手順が違います。手順は長期休業・連休前の厨房機器の止め方に、チェックリストの形でまとめています。

また、休業中に停電が起きたときの備えは、停電・ブレーカーが落ちた後の厨房機器をご覧ください。

点検の費用の考え方

点検を頼むときの費用は、保守契約にするか、そのたびに頼むかで変わります。当社の年間保守契約は、1台 年15,000円(税抜)です。定期点検と、故障したときの出張費・作業費が含まれます(部品代は別)。

保守契約なしで修理を頼む場合は、出張費が愛知県内6,000円〜、基本作業費が6,000円〜、部品代は別途です(すべて税抜)。どちらが得かは、台数や機器の古さで変わります。比べ方は保守契約と都度修理はどっちが得?で解説しています。

11月温度の記録を始め、不調のサインを確認
12月前に気になる機器を点検に出す
繁忙期止まる心配を減らして営業する

年末前の厨房機器点検は当社へご相談ください

豊翔メンテナンスサービスは、愛知県小牧市を拠点に、愛知・岐阜・三重の飲食店で厨房機器の点検と修理を行っています。業界歴15年、メーカーを問わず対応します。

「最近、冷えが弱い気がする」「氷の量が減った」「年末に止まる前に見てもらいたい」といった段階でも、お電話(070-9010-9519)でご相談ください。お電話・Webでのご相談は無料です。点検の中身は保守契約で何をしてくれる?で紹介しています。料金はサービス・料金をご覧ください。