雷のあとや、仕込み中にいくつもの機器を同時に動かしたとき、厨房の電気がふっと消えることがあります。電気が戻れば元どおり動くと思いがちですが、業務用の機器は止まり方や戻り方に機器ごとのクセがあり、戻ったつもりで動いていなかった、ということが起こります。

翌朝、冷凍庫の中身が溶けていたとなれば、食材の損失は大きくなります。停電やブレーカーが落ちた後に、どの機器の何を見ればよいかを順番にまとめました。

この記事のポイント

1電気が戻ったら一度に全部入れず、冷蔵・冷凍から順に動かす

2エアコンや製氷機など、自動で元の運転に戻らない機器がある

3ブレーカーが何度も落ちる、焦げ臭い、エラーが消えないときは使わずに業者へ

よくある原因

厨房の電気が止まる原因は、大きく分けると次の3つです。どれに当たるかで、その後の動き方が変わります。

地域の停電雷や電線の事故など。近所も消えている
店のブレーカー同時に動かしすぎて、容量を超えた
機器の漏電・故障特定の機器の回路だけが何度も落ちる
  • 地域の停電:近所の店や街灯も消えているなら、店の外の原因です。電力会社の停電情報で、復旧の見込みを確かめます
  • 使いすぎでブレーカーが落ちた:開店前の仕込みで、フライヤーや食洗機、エアコンを一斉に動かしたときなどに起こります。厨房の電気容量が足りていない店では、くり返すこともあります
  • 漏電やショート:特定の機器の回路だけが落ちる、上げてもすぐまた落ちる場合は、その機器の中に原因がある疑いがあります

今すぐできる確認

まず、焦げ臭い、煙が出ている、機器が水をかぶっている、といった異常がないかを見てください。異常があるときは、その機器の電源は入れずにおきます。煙や火が出ているときは、すぐに使用を中止し、消防へ通報してください。

異常がなければ、電気が戻ったときの順番を意識して機器を動かしていきます。

異常の確認焦げ臭さ・水ぬれがないか
冷蔵・冷凍食材を守る機器から先に
製氷機・食洗機表示と運転を確かめる
エアコン・その他少し間をあけて入れる

ブレーカーが落ちたときは、たくさんの機器のスイッチが入ったまま上げると、また落ちることがあります。機器のスイッチをいったん切ってからブレーカーを上げ、ひとつずつ入れていくと、どの機器で落ちるかも分かります。

業務用冷蔵庫・冷凍庫

停電中は扉を開けずに冷気を逃がさないようにします。電気が戻ったら、温度表示がふだんの温度に向かって下がっていくかを見ます。機種によっては、コンプレッサーを守るために、電気が戻ってから数分たって動き出すものがあります。すぐに動かなくても、電源を何度も入れ直さずに少し待ってください。

庫内の温度が上がっていた時間が長いときは、食材をどう扱うかを店の衛生管理の決まりに沿って判断してください。停電のあとにいつまでも冷えないときは、業務用冷蔵庫が冷えない原因も参考にしてください。

製氷機・食洗機

製氷機は、停電のあいだに貯氷庫の氷が溶けていることがあります。電気が戻っても製氷を始めないときは、運転スイッチや表示を確かめます。食洗機は、タンクのお湯が冷めているため、温度が上がるまでに時間がかかります。温度が上がる前に洗い始めると洗い残しの原因になるので、温度表示を見てから使います。製氷機の運転を入れ直しても氷ができないときの確かめ方は、業務用製氷機で氷ができないときの原因で紹介しています。

業務用エアコン・電気を使うガス機器

業務用エアコンは、機種や設定によって、電気が戻っても停電前の運転に自動で戻らないことがあります。リモコンから運転を入れ直してください(エアコンが動かないとき)。スチコンや電気で点火するガス機器は、停電中は使えません。電気が戻った後もエラーが出たままなら、無理に使わないでください。

電気が戻ったら見るところ

  • 冷蔵庫・冷凍庫の温度が下がり始めたか
  • 製氷機の運転と貯氷庫の氷
  • 食洗機のタンクの温度
  • エアコンが運転に戻っているか
  • エラー表示が出ている機器はないか
  • 時計やタイマー設定がずれていないか

自分でできるのは、ここまで

業者を呼ぶべき目安

次のような場合は、機器や電気まわりに原因がある疑いがあります。使うのをやめて、点検を頼んでください。

  • ブレーカーが何度も落ちる、上げてもすぐに落ちる
  • 特定の機器の電源を入れたときだけ落ちる
  • 焦げ臭い、煙が出た、機器が水をかぶった
  • 電気が戻ってしばらくたっても、冷蔵庫・冷凍庫の温度が下がらない
  • エラー表示が消えない、運転を入れても動かない

ブレーカーが何度も落ちるのに上げ続けると、機器の傷みを広げることがあります。機器の中に原因があれば当社で点検・修理します。分電盤や建物側の配線の不具合は、電気工事店の範囲になります。単発修理の料金の目安はサービス・料金をご覧ください。費用は機器や状態で変わります。

当てはまるものがあれば、お電話ください。

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予防のポイント

停電そのものは防げませんが、備えておくと、止まったときの損失を小さくできます。

備えがないと

  • どのブレーカーがどの機器か分からない
  • 一斉に入れてまた落ちる
  • エアコンや製氷機が止まったまま気づかない
  • 弱っていた機器が停電をきっかけに止まる

備えておくと

  • ブレーカーに機器名を書いておける
  • 入れる順番を決めておける
  • 再開時の確認表で見落としを防げる
  • 点検で弱った部品を先に見つけられる

開店前の仕込みで毎回ブレーカーが落ちそうになる店は、機器を動かす順番をずらすだけでも落ちにくくなります。機器ごとの型式や年式を管理台帳にまとめておくと、停電後の不調を相談するときにも話が早く進みます。定期点検で冷却や電気部品の状態を見ておきたい方は、保守契約で何をしてくれる?もご覧ください。停電のあとの機器の不調は、お電話(070-9010-9519)でご相談ください。お電話・Webでのご相談は無料です。

よくある質問

Q. 停電のあと、冷凍庫の中身はそのまま使えますか? A. 停電中の時間や庫内の温度によって変わります。扉を開けずにいたか、温度がどこまで上がったかを見て、店の衛生管理の決まりに沿って判断してください。判断に迷う食材は、使わない選択も含めて考えましょう。

Q. ブレーカーが落ちた後、全部の機器をすぐ入れ直していいですか? A. 機器のスイッチをいったん切ってから、ブレーカーを上げ、冷蔵庫・冷凍庫から順に入れてください。まとめて入れると、また落ちることがあります。

Q. ブレーカーが何度も落ちます。業者に頼むべきですか? A. 特定の機器を入れたときだけ落ちる、上げてもすぐ落ちる場合は、その機器の中に原因がある疑いがあります。使うのをやめて点検をご依頼ください。機器が原因なら当社で点検・修理します。