厨房機器の故障で呼ばれて現場に行くと、「そういえば数日前から音が大きかった」「朝、床が少し濡れていた」という話をよく聞きます。壊れる前に、機器はたいてい何かしらの変化を見せています。それを拾えるかどうかは、毎日同じところを見ているかどうかで決まります。

日常点検といっても、分解や専門の道具は要りません。開店前に数分、閉店後に数分。見る場所を決めておけば、新しく入ったスタッフでも同じように確かめられます。この記事では、当社が飲食店にお伝えしている点検の項目を、開店前と閉店後に分けてまとめました。

この記事のポイント

1開店前は温度・水・ガス・音、閉店後は汚れを残さない・元栓を閉める

2点検表に書いておくと、いつもとの違いに気づきやすくなる

3異常に気づいたら、表示・型式・写真を控えて早めに相談する

毎日見る店と見ない店の差

点検をしていなくても、機器は毎日動きます。差が出るのは、調子が崩れ始めたときです。

見ていないと

  • 冷えが弱いことに、食材がぬるくなってから気づく
  • 床の水を毎日拭くだけで、原因を放っておく
  • 止まったのが営業中・週末になる
  • 業者に症状をうまく伝えられない

毎日見ていると

  • 温度表示のずれに、食材が傷む前に気づける
  • 水漏れの始まりを、場所と日付で伝えられる
  • 定休日に修理を入れる余裕ができる
  • 「いつから・どう変わったか」を説明できる

壊れる前のサインそのものは厨房機器が壊れる前のサインにまとめています。日常点検は、そのサインを見逃さないための仕組みです。

開店前に見るところ

朝いちばんは、夜のあいだに起きた変化に気づける時間です。仕込みを始める前に、次の項目を一通り見てください。

開店前のチェック

  • 冷蔵庫・冷凍庫の温度表示が、いつもの範囲か
  • 冷蔵庫の扉が、夜のうちに半ドアになっていないか
  • 製氷機の貯氷庫に、いつもどおり氷がたまっているか
  • 機器のまわりや床に、水が出ていないか
  • ガスの元栓を開けたとき、ガス臭くないか
  • 点火したときの炎の色と大きさ
  • 食洗機のお湯が、表示の温度まで上がるか
  • いつもと違う音やにおいがないか

いちばん大事なのは冷蔵庫と冷凍庫の温度です。数字を見るだけでなく、昨日の数字と比べます。庫内温度の考え方は業務用冷蔵庫・冷凍庫の適正温度で説明しています。

ガスは、においと炎を見ます。元栓を開けたときにガス臭い場合は、火をつけず、すぐ使用を中止し、ガス会社・消防へ連絡してください。換気扇やスイッチにも触らないでください。炎が赤い・オレンジ色のときは、不完全燃焼のおそれがあります(ガス機器の炎が赤い原因)。

閉店後に見るところ

閉店後の点検は、翌朝のトラブルを減らすためのものです。汚れをその日のうちに落とし、水とガスを止めて帰ります。

閉店後のチェック

  • コンロの汁受けと、吹きこぼれを拭いたか
  • ガス機器の器具栓と元栓を閉めたか
  • 食洗機のタンクのお湯を抜き、残菜受けを洗ったか
  • 食洗機の扉を少し開けて乾かしているか
  • 製氷機のスコップを洗って乾かしたか
  • グリストラップのバスケットの残菜を捨てたか
  • 冷蔵庫の扉が閉まり、温度表示がいつもどおりか
  • 気になったことを点検表に書いたか

最後の項目を飛ばす店が多いのですが、ここが肝心です。「なんとなく音が大きい」をその日のうちに書いておかないと、翌日には忘れています。

機器別に見るポイント

チェックリストの項目を、機器ごとに少し掘り下げます。

冷蔵庫・冷凍庫温度表示、扉の閉まり、パッキンの破れ、運転音がずっと止まらないか
製氷機氷の量と形、エラー表示、本体の下の水、スコップの置き方
食洗機お湯の温度表示、洗い上がり、扉まわりの水漏れ、においの変化
ガス機器ガス臭くないか、炎の色、火がすぐ消えないか、点火のしにくさ

冷蔵庫の運転音がずっと止まらない、本体のまわりが以前より熱いという場合は、放熱フィンの汚れも疑ってください。掃除の方法は放熱フィン掃除のやり方で紹介しています。

点検表の付け方

点検表は、立派なものでなくてかまいません。紙1枚を冷蔵庫の横に貼り、毎日○か×と気づいたことを書くだけで十分役に立ちます。たとえば次のような形です。

項目 開店前 閉店後 メモ
冷蔵庫の温度表示 3℃ ○ 4℃ ○
冷凍庫の温度表示 ○ ○
製氷機の氷の量 ○ −
床の水 × ○ 製氷機の下が濡れていた
ガスのにおい・炎 ○ 元栓閉 ○
食洗機のお湯の温度 ○ お湯抜き ○

温度は実際の数字を書いておくと、少しずつ上がっていく様子が後から分かります。「×」が2日続いたら業者に相談する、と店のルールにしておくと迷いません。機器ごとの購入年や修理の履歴は、厨房機器の管理台帳にまとめておくと、修理か買い替えかを決めるときにも使えます。

異常に気づいたときの動き方

点検で「×」がついたら、次の順で動いてください。

止める・離す水漏れやガス臭は、まず使用を中止する
控えるエラー表示、いつから、どう違うか
撮る表示・漏れている場所・本体の銘板
相談する型式と写真を添えて連絡する

銘板の型式が分かると、部品の見当がつき、修理が早くなります。伝え方は修理を頼むときに伝えることを参考にしてください。

日常点検で拾いきれないところは当社へ

毎日の点検で分かるのは、外から見える変化までです。冷却の部品の弱り、ポンプやヒーターの傷み、給排水の経路の汚れは、カバーを開けないと確かめられません。こうした部分は、定期点検でプロが見る範囲です。点検で何を見るかは厨房機器の保守契約で何をしてくれる?で紹介しています。

豊翔メンテナンスサービスは、愛知県小牧市を拠点に、愛知・岐阜・三重の飲食店の冷蔵庫・製氷機・食洗機・ガス機器などを、メーカーを問わず保守・修理しています。年間保守契約は1台 年15,000円(税抜)です。点検表で気になる項目が出た、店に合った点検項目を決めたい、といったご相談もお受けしています。お電話・Webでのご相談は無料です。料金はサービス・料金をご覧ください。