年末年始やお盆の連休、改装や設備工事による休業など、飲食店が数日〜数週間お店を閉めることは珍しくありません。そのとき厨房機器を「いつも通りの閉店」で済ませてしまうと、休み明けに冷蔵庫の中がカビていた、製氷機の氷が臭う、食洗機が動かないといったトラブルにつながることがあります。

この記事では、長期休業の前に厨房機器をどう止めるかを、機器ごとのチェックリストの形で整理します。機種ごとの細かい手順は取扱説明書が基本ですが、全体の考え方を押さえておくと、抜け漏れが減ります。

この記事のポイント

1最初に止める機器と動かしておく機器を、休む期間と食材で決める

2冷蔵庫は止めたら扉を少し開けておく。製氷機・食洗機は水を抜いて乾かす

3再開の日はガス→冷蔵→製氷→食洗→排水の順に確認してから営業

まず決めること:止める機器と、動かしておく機器

長期休業で最初に決めたいのは、どの機器を止めて、どの機器を動かしておくかです。目安は次の通りです。

休業の条件 考え方の目安
数日程度の連休 冷凍庫は食材を残すなら運転継続。冷蔵庫は中身を減らしたうえで運転継続か停止かを判断
1週間以上の休業 食材を使い切り・移動できるなら、冷蔵庫・製氷機・食洗機は停止を検討
冬場で冷え込む地域・建物 止めた機器や配管に水が残ると凍結のおそれがあるため、水抜きを優先

冷凍庫だけは「止めると中身がすべて傷む」ので、食材を残すかどうかで判断が分かれます。残す場合は止めずに、休業中も温度が保たれているかを確認できる手段(店の様子を見に行く日を決める、温度記録計を置くなど)を用意しておくと安心です。

業務用冷蔵庫・冷凍庫

止める場合の基本の流れです。

  1. 中の食材を使い切る、または持ち出す
  2. 電源を切る(コンセントを抜く、または専用ブレーカーを切る)
  3. 霜や氷を溶かし、庫内の水を拭き取る
  4. 庫内・棚・パッキンを中性洗剤で拭き、よく乾かす
  5. 扉を少し開けたままにする(閉め切るとカビや臭いの原因になる)

いちばん多い失敗は、電源を切ったあと扉を閉めたままにしてしまうことです。湿気がこもり、休み明けに庫内がカビていたというケースは少なくありません。扉が勝手に閉まる機種は、タオルなどを挟んで隙間を確保しておきます。

パッキンに破れや硬化が見つかったら、休業中は交換を検討するよいタイミングです。目安はドアパッキンの劣化サインと交換の目安にまとめています。

運転を続ける場合は、庫内を詰め込みすぎない、扉がきちんと閉まっているかを最後に確認する、の2点を必ず押さえてください。

製氷機

製氷機は、止める前の処置で休み明けの状態が大きく変わる機器です。

  1. ストッカー(氷をためる部分)の氷をすべて捨てる
  2. 給水を止める(製氷機用の止水栓を閉める)
  3. 電源を切る
  4. 機種の手順に沿って、本体内部の水を抜く
  5. ストッカー内を拭いて乾かし、扉や蓋を少し開けておく

水が残ったまま長く置くと、ぬめりや臭いの原因になります。手順の詳細は製氷機を長期間止めるときの正しい手順で、再開時の注意まで含めて解説しています。

業務用食洗機

  1. 洗浄槽・すすぎのお湯を排水する
  2. フィルター・ノズル(アーム)を外して洗い、乾かす
  3. 洗剤・リンス剤の供給を止める、または機種の手順に従う
  4. 給水・給湯の元栓を閉め、電源を切る
  5. 扉を少し開けて内部を乾燥させる

槽内に水と残さいが残ると、休業中に腐敗して強い臭いが出ることがあります。洗剤タンクのチューブが詰まる原因にもなるため、取扱説明書に長期停止時の手順があれば、それに従ってください。

ガス機器(コンロ・フライヤー・オーブンなど)

ガス機器の休業前チェック

  • 機器ごとの器具栓を閉める
  • 厨房全体のガス元栓を閉める
  • フライヤーの油は冷めてから抜き、槽を清掃しておく
  • 換気扇・ダクトまわりの油汚れも、時間があれば落としておく

再開時にガスを開けてガスの臭いがする、いつもと違う臭いがする場合は、点火せずにすぐ使用を中止し、窓を開けてガス会社に連絡してください。火災の危険があるときは消防(119番)へ。換気扇などの電気のスイッチにも触れないようにします。

排水・グリストラップ

長く水を流さないと、排水口の封水(臭いを止める水)が減って下水の臭いが上がってくることがあります。休業前にグリストラップを清掃し、たまった油をできるだけ取り除いておきましょう。清掃のポイントはグリストラップの清掃頻度とやり方をご覧ください。

冬の休業は凍結にも注意

年末年始の休業は、一年でもっとも冷え込む時期と重なります。暖房を切った厨房では、給水管・製氷機・食洗機・給湯器の中に残った水が凍り、配管や部品が傷むことがあります。止める機器は水抜きまで済ませ、冷え込みが厳しい日は特に注意してください。凍結対策は冬の厨房トラブル対策でも取り上げています。

休み明けの再開チェック

再開の日は、営業前に少し時間を取り、次の順で確認すると安心です。

1. ガス元栓を開け、臭いがないかを確認してから点火
2. 冷蔵・冷凍電源を入れ、設定温度まで下がるのを待ってから食材を入れる
3. 製氷機最初にできた氷を捨て、ストッカーを洗ってから使う
4. 食洗機空運転して、水漏れ・お湯の温度・洗剤の供給を確認
5. 排水水を流し、臭いや流れの悪さがないかを見る

冷えが戻らない、異音がする、水漏れがあるといった症状が出たら、無理に使い続けないことが大切です。休み明けに出やすい不調のサインは厨房機器が壊れる前のサインでも確認できます。冷蔵庫の冷えが戻らないときは業務用冷蔵庫が冷えない原因をご覧ください。

長期休業前後の点検は当社へ

「どの機器をどう止めればいいか分からない」「休み明けに確実に動くか不安」という場合は、休業前の停止作業や、再開前の点検をまとめてご相談ください。豊翔メンテナンスサービスは業界歴15年、小牧市を拠点に愛知・岐阜・三重の飲食店で、冷蔵庫・製氷機・食洗機・ガス機器などの保守・修理を行っています(業務用エアコンは洗浄のみ承っています)。

作業の内容や費用は、機器の台数や状態によって変わります。お電話・Webでのご相談は無料ですので、休業日程が決まった段階でお気軽にお問い合わせください。料金の考え方はサービス・料金でご案内しています。