夏の飲食店は、氷の消費がいちばん増える季節です。ドリンク、かき氷、魚の冷やし込みと、氷はいくらあっても足りません。ところが、その夏に限って業務用製氷機の氷が減る、溶けやすい、といった不調が出やすくなります。
製氷機は暑さの影響を受けやすい機器です。壊れたわけではなくても、置き場所や手入れの状態しだいで、夏だけ氷が足りなくなることがあります。この記事では、夏に起きやすい不調の原因と、暑くなる前にできる手当てをまとめます。
この記事のポイント
1夏は周囲の温度と水温が高いため、同じ機械でも作れる氷の量が減りやすい
2氷が足りない原因は、放熱のすき間・フィルターの汚れ・置き場所で変わることが多い
3止まってから呼ぶより、暑くなる前に点検をしておくほうが、繁忙期の損失を抑えられる
氷ができない症状そのものの確かめ方は、業務用製氷機で氷ができない・少ない原因で詳しく紹介しています。ここでは、夏という季節に絞って考えます。
なぜ夏に製氷機の氷が減るのか
製氷機は、水を冷やして氷にし、そのとき出る熱を機械の外へ逃がして動いています。外へ逃がす先の空気が暑いと、熱がうまく逃げず、氷を作る力が落ちます。仕様書やカタログの製氷能力が、周囲の温度と水温を決めた条件で示されているのは、そのためです。夏の厨房は、その条件より暑くなりがちです。
つまり、夏の不調は、機械の能力が落ちることと、氷を使う量が増えることの両方が重なって起こります。どちらが主な原因かで、打つ手が変わります。
夏に多い不調と、まず疑うこと
症状ごとに、最初に確かめることを整理しました。
| 症状 | まず疑うこと |
|---|---|
| 氷の量が足りない | 周囲の温度、放熱のすき間、フィルターの汚れ |
| ストッカーの氷がすぐ溶ける | 扉や蓋の閉まり、開閉の回数、氷の入れすぎ |
| 氷が小さい・くっつく | 水温、給水の状態、製氷の運転の乱れ |
| いつもと違う音がする | 放熱部の汚れ、ファンの不調 |
氷が小さい、音が大きいといった症状は、暑さが引き金になって見つかることがあります。音の見分け方は製氷機から異音がする原因をご覧ください。
暑くなる前の置き場所の見直し
製氷機は、置き場所の影響を強く受けます。次の図のように、熱源のそばや、壁にぴったりくっつけた置き方は、夏に苦しくなりやすい配置です。
夏に苦しくなる置き方
- コンロやフライヤーのすぐ横
- 壁や機器にぴったりつけて置く
- 吸気口や排気口の前に物を積む
- 日の当たる窓際や換気の弱い隅
夏を乗り切りやすい置き方
- 熱源から離して置く
- 仕様書のとおり放熱のすき間を空ける
- 吸気口・排気口の前を空けておく
- 空気が入れ替わる場所に置く
必要な放熱のすき間は、機種によって違います。取扱説明書や仕様書で確認してください。型式が分かれば、当社で取扱説明書をご用意します(古い機種など用意できない場合もあります)。
置き場所を動かせない場合は、換気や空調の風が当たるようにする、熱源との間に仕切りを置くなどの工夫で、ずいぶん違ってきます。ただし、機器のまわりを不用意にふさぐと、かえって熱がこもります。
夏の前にしておく手入れ
- フィルターや吸気口を掃除する:ホコリが詰まると、熱が逃げずに氷の量が減ります。掃除の前に必ず電源を切り、機種の説明書に沿って行います
- 周りを片づける:吸気口・排気口の前に段ボールや食材の箱を積んでいないかを見ます
- ストッカー内を拭く:古い氷を入れ替え、においやぬめりがないか確かめます
- 内部の洗浄を計画に入れる:製氷皿や水槽の奥の水あかは、お店の掃除では落としきれないことがあります。掃除のしかたは製氷機の掃除のやり方も参考にしてください
氷は口に入るものです。夏は水が傷みやすい季節でもあるため、内部の洗浄は氷の衛生面からも大切です。
夏の氷を無駄にしない使い方
機械の能力が足りなくなる前に、使い方でできる工夫もあります。
夏の氷の使い方
- ストッカーの扉や蓋を、使ったらすぐ閉める
- 氷を取る回数をまとめ、開けっぱなしにしない
- 仕込みの時間帯に氷を先にためておく
- ピーク前にストッカーの量を確かめる
- 氷が足りない日の予備の手当てを決めておく
- 吸気口のホコリを定期的に見る習慣をつける
夏の電気代が気になる場合は製氷機の電気代も参考になります。氷の量がどうしても足りない店は、そもそも機種の製氷能力が、お店の使い方に合っていない場合もあります。その場合は、能力の大きい機種への入れ替えや、台数を増やす選択肢もあります。選び方は製氷機の選び方にまとめています。
止まってから呼ぶか、暑くなる前に点検するか
夏の製氷機が止まると、ドリンクの提供が滞り、氷を買い足す手間と費用も生まれます。繁忙期は修理の依頼も重なるため、すぐに来てもらえないこともあります。
壊れてから対応する
- 繁忙期に氷が止まる
- 氷の買い足しが必要になる
- 修理の日程が取りにくい
暑くなる前に点検する
- 放熱や汚れの弱りを前もって見つける
- 夏の前に内部まで洗浄できる
- 止まる前に部品の傷みに気づける
当社の年間保守契約は、1台につき年15,000円(税抜)です。製氷機を含む機器の点検を定期的に行い、止まりやすい夏の前に、弱りを見つけることができます。契約の中身は厨房機器の保守契約で何をしてくれる?で解説しています。製氷機の点検の考え方は製氷機のメンテナンス契約は必要?もご覧ください。夏全体の備えは夏の厨房トラブル対策にまとめています。
夏の製氷機の点検・手入れは当社へご相談ください
「毎年夏になると氷が足りなくなる」「今年は止まらないようにしたい」という飲食店のご相談を、豊翔メンテナンスサービスがお受けしています。業界歴15年、小牧市を拠点に、愛知・岐阜・三重で製氷機をはじめとする業務用厨房機器の保守・修理を行っています。
作業の内容や費用は、機種や設置状況、汚れの状態によって変わります。お電話・Webでのご相談は無料です。型式(本体の銘板に記載)をお伝えいただくと、ご案内がスムーズです。保守契約や料金の考え方はサービス・料金、製氷機の修理は業務用製氷機の修理のページをご覧ください。


