製氷機は、営業中も閉店後も氷をつくり続ける機器です。冷蔵庫ほど目立たないので、電気代を気にしたことがないという店主さんも多いと思います。

ただ、製氷機の電気代は使い方と置き場所で変わります。同じ機種でも、フライヤーの横に置いてフィルターがほこりだらけの店と、風通しのよい場所で月に1回フィルターを洗っている店とでは、同じ量の氷をつくるのに必要な運転時間が違ってきます。

この記事のポイント

1電気代は銘板やカタログの消費電力から見当をつけられる

2周りが暑い、放熱フィンが汚れていると氷ができるまでの時間が延びて電気を多く使う

3節約の中心は置き場所・フィルター掃除・水あか対策の3つ

製氷機以外も含めた厨房全体の節電は、飲食店の厨房機器の電気代を下げる方法にまとめています。

電気代の調べ方

製氷機の電気代は、機種と使い方でかなり差があるので、ここでは一律の金額は書きません。自分の店の製氷機で見当をつけるなら、次の順で調べます。

  1. 本体の銘板(ラベル)で型式を確かめる
  2. 型式からカタログや仕様書を見て、消費電力(W)や1日あたりの消費電力量(kWh)を確かめる
  3. 電力会社の請求書にある1kWhあたりの単価をかける

計算の式は「1日の消費電力量(kWh)× 単価(円)× 営業日数」です。

計算の例(数字は説明用の仮の値)

  • 1日の消費電力量が5kWh、単価が1kWhあたり30円と仮定
  • 5 × 30円 = 1日150円
  • 150円 × 30日 = 1か月4,500円

自分の店で入れ替える数字

  • 1日の消費電力量:カタログや仕様書の値
  • 単価:電力会社の請求書にある値
  • 日数:製氷機を動かす日数

上の金額は計算の流れを示すための仮の数字で、実際の電気代ではありません。カタログに消費電力(W)しか載っていない場合、製氷機は一日中同じ力で動くわけではないので、そのままかけ算すると実際より多めに出ます。あくまで上限の目安と考えてください。

カタログの数字は、決まった周りの温度と水温で測ったものです。真夏の厨房は条件が厳しいので、夏場はカタログより電気を使うと思っておいたほうが実態に近くなります。型式が分かれば、仕様書は当社でお調べします(古い機種など、用意できない場合もあります)。

製氷機が電気を使う仕組み

製氷機は、水から熱を奪って氷にし、奪った熱を放熱部(凝縮器)から外へ逃がしています。冷蔵庫と同じで、熱をうまく逃がせないと冷えるのに時間がかかり、そのぶん電気を使います。

製氷部 水から熱を奪って氷に 貯氷庫(ストッカー) 放熱部(フィン) 熱を外へ フィルター (空気の入口) 暑い場所・汚れたフィンでは熱が逃げにくく、運転が長くなる
空冷式製氷機の熱の流れ(部品の位置は機種によって違います)

放熱の方式には空冷式と水冷式があります。飲食店でよく見るのは空冷式です。

方式 熱の逃がし方 電気代に効く手入れ
空冷式 ファンで空気を当てて放熱する フィルターとフィンのほこり取り、放熱のすき間
水冷式 水を流して熱を運ぶ 水を使うぶん水道代もかかる。冷却水まわりの点検

電気代が上がる主な原因

電気代が上がる原因の多くは、製氷機の故障ではなく、置き場所と手入れの問題です。

  • 周りが暑い:フライヤーやコンロ、オーブンの近く、日の当たる窓際に置くと、放熱がうまくいかない
  • フィルターやフィンのほこり・油:空気が通りにくくなり、熱がこもる
  • 放熱のすき間が足りない:壁や物が近いと、温かい空気を自分で吸い込んでしまう
  • 水あか(スケール):製氷部に水あかがつくと、氷ができるまでの時間が延びる
  • 貯氷庫の扉の開けっぱなし:氷が溶けて、そのぶん追加でつくることになる

水あかで氷が白くなったり形が崩れたりしている場合は、製氷機の氷が白い・味がおかしい原因も参考になります。

今日からできる節約の使い方

特別な道具は要りません。営業の合間にできることから始めてください。

節約のチェックリスト

  • 加熱機器の真横に置いていない
  • 左右・背面に放熱のすき間がある
  • 前面の吸気口を物でふさいでいない
  • フィルターを月に1回は洗っている
  • 貯氷庫の扉をすぐ閉めている
  • 長い休みの前は止めている

フィルターは前面のパネルの内側などについていることが多く、外して水洗いし、よく乾かしてから戻します。外し方は機種で違うので、取扱説明書の手順に従ってください。取扱説明書が見当たらない場合も、型式が分かれば当社でご用意します(古い機種など、用意できない場合もあります)。

貯氷庫が氷でいっぱいになると、製氷機は自動で製氷を止めます。氷が多く残っていても電気のむだにはなりません。むしろ扉を開けている時間を短くするほうが効きます。

連休や長期休業の前に止める場合は、水抜きなどの手順があります。製氷機を長期間止めるときの手順をご覧ください。

自分でできる手入れと、プロに任せる手入れ

フィルター掃除はお店でできますが、奥にあるフィンの汚れや製氷部の水あかは、分解しないと落とせません。

お店でできること

  • フィルターの水洗い
  • 置き場所とすき間の見直し
  • 貯氷庫の扉の開け閉めを減らす

プロに任せること

  • 奥のフィンの洗浄
  • 製氷部の水あか落とし(分解洗浄)
  • 冷却の効き具合の点検

ブラシでフィンを強くこすると、薄い板が曲がって逆に空気が通りにくくなります。奥の汚れが気になったら、無理をせず点検を頼んでください。洗浄の頻度は製氷機の掃除・洗浄の頻度と方法で解説しています。

よくある質問

Q. 製氷機の電気代は、1か月でいくらくらいですか? A. 機種の大きさ、周りの温度、季節で変わるため、一律の金額はお伝えできません。銘板で型式を確かめ、仕様書の消費電力量に請求書の単価をかけると、お店の見当がつきます。夏場は条件が厳しく、カタログより電気を使いやすい点にご注意ください。

Q. 古い製氷機は電気代が高くなりますか? A. 放熱部の汚れや水あかがたまっていると、同じ量の氷をつくるのに運転が長くなります。年数だけでなく手入れの状態で差が出ます。寿命の考え方は製氷機の寿命は何年?をご覧ください。

Q. 製氷機は夜の間、止めたほうが電気代の節約になりますか? A. 毎日止めると、翌朝に必要な氷が足りなくなり、営業中にまとめてつくることになります。貯氷庫がいっぱいになれば製氷は自動で止まるので、ふだんは止めずに使うのが一般的です。止めるのは、連休や長期休業の前に限ったほうが扱いやすくなります。

Q. 電気代が急に上がった気がします。故障でしょうか? A. まずフィルターの汚れと、周りの温度や置き場所が変わっていないかを確かめてください。それでも氷ができるまでの時間が長い、氷の量が減ったといった変化があれば、冷却の部品が弱っていることもあります。製氷機で氷ができない原因もあわせてご覧ください。

製氷機の点検・洗浄は当社へ

豊翔メンテナンスサービスは、愛知県小牧市を拠点に、愛知・岐阜・三重の飲食店で製氷機の点検・洗浄・修理を行っています。業界歴15年、メーカーを問わず対応します。

電気代の増え方は、製氷機の放熱が弱ってきたサインのこともあります。年間保守契約(1台 年15,000円・税抜)なら、定期点検で放熱部や水あかの状態を確かめ、夏の前に手を打てます。製氷機の保守については製氷機のメンテナンス契約は必要?、料金はサービス・料金をご覧ください。お電話・Webでのご相談は無料です。