業務用製氷機は、毎日休まず動き続けることを前提にした機器です。そのため、年末年始の連休や改装工事などで数日〜数週間止めるときには、ふだんの閉店作業とは別の手当てが必要になります。

「氷を捨てて電源を切っておけば大丈夫」と思われがちですが、内部に水が残ったままだと、休み明けに氷が臭う、ぬめりが出る、製氷が安定しないといった不調につながることがあります。この記事では、止めるときの手順と、再開するときの注意点をまとめます。

この記事のポイント

1止め方のポイントは「水を残さない」「中を乾かす」の2つ

2給水を止めてから電源を切る。冬は凍結に注意して水抜きを丁寧に

3再開したら最初にできた氷は使わずに捨てる

先に手順を一言でまとめると、氷を捨てる、止水栓を閉める、電源を切る、水を抜く、中を乾かすの順です。再開するときは、最初にできた氷を捨ててから使い始めます。

なお、機種によって水抜きの方法や操作手順は異なります。ここで紹介するのは一般的な流れなので、実際の作業は取扱説明書の「長期間使用しないとき」の項目と合わせて確認してください。

なぜ「止め方」が大事なのか

製氷機の中には、製氷皿や水槽、ポンプ、配管など、常に水が通る部分がたくさんあります。運転中は水が入れ替わり続けるため清潔に保たれやすいのですが、止めると水が動かなくなります。

ぬめり・臭い残った水がよどみ、ぬめり(バイオフィルム)や臭いのもとになる
水あかが固まる水あか(スケール)が乾いて固まり、部品の動きや水の流れを悪くする
冬の凍結冬場は、残った水が凍結して部品を傷めるおそれがある

つまり、止め方のポイントは「水を残さない」「中を乾かす」の2つに集約されます。

2〜3日の連休なら、止めずに済ませる選択も

休みが2〜3日程度であれば、製氷機は止めずに運転を続けるお店もあります。その場合も、休み前にストッカーの氷をいったん捨て、ストッカー内を拭いておくと、休み明けに古い氷を使わずに済みます。扉や蓋がきちんと閉まっているかも、最後に確認してください。

一方、1週間以上休む場合や、冬場に暖房を切る場合は、ここから紹介する手順で止めておくほうが、衛生面でも凍結対策の面でも安心です。

2〜3日程度の連休

  • 止めずに運転を続けるお店もある
  • 休み前にストッカーの氷を捨てて拭く
  • 扉や蓋が閉まっているか確認

1週間以上・冬に暖房を切る

  • この記事の手順で止める
  • 水抜きと乾燥で衛生面も安心
  • 凍結対策にもなる

止める前の準備

作業に入る前に、次の点を確認しておくとスムーズです。

止める前の準備

  • 最終営業日の閉店後など、氷を使い切れるタイミングを選ぶ
  • 製氷機用の止水栓(給水バルブ)の場所を確認しておく
  • 取扱説明書を手元に用意する(見当たらない場合は、本体の銘板で型式を控えておく。型式が分かれば当社でご用意します。古い機種など用意できない場合もあります)
  • 清掃用の中性洗剤、柔らかいスポンジ、乾いた布を用意する

長期間止めるときの手順

一般的な流れは次の通りです。

製氷を止める氷を全部捨てる
給水を止める止水栓を閉める
電源を切るコンセント・ブレーカー
水を抜く機種の手順に沿って
洗って乾かす扉・蓋は少し開ける
  1. 製氷を止める:運転を停止し、新しい氷がつくられないようにする
  2. ストッカーの氷をすべて捨てる:残った氷は溶けて水になり、よどみの原因になる
  3. 給水を止める:製氷機用の止水栓を閉める
  4. 電源を切る:コンセントを抜く、または専用のブレーカーを切る
  5. 内部の水を抜く:機種の手順に沿って、水槽や配管にたまった水を排出する
  6. ストッカー内を洗って乾かす:中性洗剤で拭き、水気をしっかり取る
  7. 扉・蓋を少し開けておく:閉め切ると湿気がこもり、カビや臭いの原因になる

順番で気をつけたいのは、給水を止めてから電源を切ることです。電源を先に切っても大きな問題になるとは限りませんが、給水が開いたままだと、機種によっては水がたまり続けたり、休業中に漏れたりするおそれがあります。

水抜きの方法は機種ごとの差が大きい部分です。排水用のキャップや操作ボタンがある機種もあれば、分解が必要な機種もあります。無理に部品を外すと元に戻らなくなることもあるため、分からない場合は無理をせずご相談ください。

冬の休業は凍結に注意

年末年始の休業は、冷え込みの厳しい時期と重なります。暖房を止めた厨房や、外気が入りやすい場所に置かれた製氷機では、残った水が凍って配管や部品を傷めることがあります。

冬に長く止める場合は、とくに水抜きを丁寧に行い、給水の配管側も凍結のおそれがないかを確認してください。冬の厨房で起きやすいトラブルは冬の厨房トラブル対策でまとめています。

再開するときの手順と注意

休み明けにいきなり氷を使い始めるのは避け、次の手順で立ち上げます。

  1. ストッカー内を確認し、カビや汚れがあれば洗う
  2. 止水栓を開け、給水まわりから水漏れがないかを見る
  3. 電源を入れ、運転を再開する
  4. 最初にできた氷は使わずに捨てる(配管にたまっていた水や汚れが混ざりやすいため)
  5. 氷の量・大きさ・透明感・臭いがいつも通りかを確認してから使う

再開後に「氷ができない」「量が少ない」と感じた場合は、給水が開いているか、電源が入っているかをまず確認してください。それでも改善しないときの原因は業務用製氷機で氷ができないときの原因で解説しています。

また、氷が白く濁る、味や臭いが気になるといった症状が出た場合は、内部の汚れが残っている可能性があります。詳しくは製氷機の氷が白い・味がおかしい原因をご覧ください。再開後に本体の下に水がたまる場合は、製氷機の水漏れの原因と対処法も参考になります。

長く止める前に、内部洗浄をしておくと安心

長期の休業は、ふだん営業を止められない製氷機の内部洗浄をするよい機会でもあります。外から拭ける範囲の清掃はお店でもできますが、製氷皿や水槽、配管の奥にたまった水あか・ぬめりは、分解しないと落としきれないことがあります。

休業前に内部まで洗浄しておけば、休み明けの立ち上がりが安定しやすく、氷の衛生面でも安心です。厨房全体の止め方は長期休業・連休前の厨房機器の止め方にまとめていますので、あわせてご確認ください。

製氷機の止め方でよくある質問

止めるか・どう再開するかの目安

  • 2〜3日の連休:止めずに運転を続けるお店もある
  • 1週間以上の休業:この記事の手順で止める
  • 冬に暖房を切る:凍結に注意して水抜きを丁寧に
  • 再開したら:最初にできた氷は使わずに捨てる

Q. 電源を切るだけではだめですか? 電源を切っただけでは、水槽や配管に水が残ります。止まった水はよどみやすく、休み明けのぬめりや臭いのもとになります。氷を捨て、給水を止め、水を抜いてから電源を切る、という順番で止めてください。

Q. 何日休むなら止めたほうがいいですか? お店の状況によりますが、2〜3日程度なら止めずに運転を続けるお店もあります。1週間以上休む場合や、冬に暖房を切る場合は、止めて水を抜いておくほうが衛生面でも凍結対策の面でも安心です。

Q. 水抜きのやり方が機種ごとに分かりません。 排水用のキャップや操作ボタンで抜ける機種もあれば、分解が必要な機種もあります。取扱説明書の「長期間使用しないとき」の項目を確認してください。説明書が見当たらないときは、型式が分かれば当社でご用意します(古い機種など用意できない場合もあります)。

Q. 製氷機の水抜きをしないで止めると、どうなりますか? 水槽や配管に残った水がよどみ、休み明けにぬめりや臭いが出ることがあります。冬は残った水が凍って、配管や部品を傷めるおそれもあります。長く止める前に、水を抜いて中を乾かしておくのが安心です。

Q. 休み明けに氷ができません。 まず止水栓が開いているか、電源が入っているかを確かめてください。それでも氷ができないときの確かめ方は業務用製氷機で氷ができないときの原因にまとめています。休業前の内部洗浄については製氷機の掃除のしかたも参考にしてください。

製氷機の休業前の停止・洗浄は当社へ

「水抜きのやり方が分からない」「休み明けにきちんと動くか不安」「この機会に内部まで洗浄したい」という場合は、豊翔メンテナンスサービスにご相談ください。業界歴15年、小牧市を拠点に愛知・岐阜・三重の飲食店で、製氷機をはじめとする業務用厨房機器の保守・修理を行っています。

作業の内容や費用は、機種や設置状況、汚れの状態によって変わります。お電話・Webでのご相談は無料です。型式(本体の銘板に記載)をお伝えいただくと、ご案内がスムーズです。料金の考え方はサービス・料金、製氷機の修理・洗浄については業務用製氷機の修理のページをご覧ください。