冷凍庫は、開業のときに「とりあえず大きめを」と選びがちな機器です。ところが大きすぎると電気代と置き場所がかさみ、小さすぎるとすぐに満杯になって、冷気の回りが悪くなります。

この記事では、開業前に決めておきたい順番で、業務用冷凍庫を選ぶポイントをまとめます。カタログを見る前に、何をどれだけ入れるかから考えていきます。

この記事のポイント

1先に決めるのは機種ではなく、入れる食材の量と置き場所の寸法

2タテ型・ヨコ型・台下は厨房の広さと出し入れの頻度で選ぶ

3電源・放熱のすき間・搬入経路は、買う前に必ず確かめる

選ぶ順番

迷わないように、決める順番を整理します。機種の比較は最後です。

置く場所幅・奥行・高さを測る
入れる量何をどれだけ冷凍するか
形タテ・ヨコ・台下
電源と放熱コンセント・すき間
機種の比較仕様を見て決める

先にカタログから選ぶと、置けない、通れない、電源が合わないといった手戻りになりやすくなります。

1 何を、どれだけ冷凍するか

最初に考えるのは、冷凍庫に入れるものです。業態によって、冷凍するものは大きく変わります。

業態の例 冷凍するものの例 考え方
ラーメン店・居酒屋 麺、肉、魚、揚げ物の仕込み品 仕入れの頻度と量で容量を決める
カフェ・洋菓子 冷凍のスイーツ生地、アイス、フルーツ 少量を手元に置く台下型が合いやすい
寿司店・和食 魚介、仕込み済みの食材 保管の量が多く、タテ型を選ぶお店もある

目安は、ふだんの仕入れ量に少し余裕を持たせた容量です。余裕を持たせすぎると、庫内が空いたまま冷やし続けることになります。逆に満杯だと、冷気が回らず、冷えのムラや霜の増加につながります。

2 タテ型・ヨコ型・台下の違い

業務用冷凍庫には、おもに3つの形があります。置く場所と、出し入れのしかたで選びます。

タテ型床の面積が小さくて済む。量を入れたいお店向き
ヨコ型幅を取るが、奥行きが浅い。出し入れがしやすい
台下型作業台の下に置く。手元で使う分だけを入れる

台下型は、コールドテーブルに近い使い方です。選び方はコールドテーブルの選び方にまとめています。冷蔵庫の選び方は業務用冷蔵庫の選び方もご覧ください。

タテ型が向くお店

  • 厨房の床面積が限られている
  • まとめ仕入れで、量を保管したい
  • 高い位置まで手が届く動線がある

ヨコ型・台下型が向くお店

  • 天板を作業台としても使いたい
  • 重いものを上げ下げしたくない
  • 調理中に手元で取り出したい

3 霜取りの方式を知っておく

冷凍庫を選ぶときに見落としやすいのが、霜の対処です。冷凍庫は庫内の湿気が霜になるため、霜取りの仕組みが機種で違います。

  • 自動で霜を取るタイプ:運転中に霜を溶かす仕組みを持つ。手間は少ないが、機種の仕様を確認する
  • 手動で霜を取るタイプ:霜が厚くなったら、お店で電源を切って溶かす作業が要る

どちらが良い、ではありません。誰が、いつ手入れをするかで選びます。忙しいお店で、霜取りの時間を取れないなら、自動のタイプが合うことがあります。霜がつく原因と対処は冷凍庫に霜がつく原因で説明しています。

4 電源と放熱のすき間

冷凍庫は、庫内の熱を外へ逃がして冷やしています。まわりがふさがれていると熱が逃げず、運転が長くなり、故障の原因になります。

壁 冷凍庫 隣の機器 背面のすき間 横 作業の通路(扉を開ける幅も残す) 必要なすき間は機種で違います。仕様書で確認します
上から見た配置のイメージ。すき間の寸法は機種の仕様書で確認します

必要なすき間の寸法は、機種によって違います。仕様書に書かれているので、置き場所を決める前に確認してください。放熱の考え方は業務用冷蔵庫の設置スペースと搬入経路と同じです。

電源は、機種によって100Vと200Vがあります。厨房のブレーカーの容量や、コンセントの形が合うかも、あわせて確認が必要です。くわしくは厨房の電気容量と200Vをご覧ください。設置時の電気の接続工事は、提携業者と連携して手配できます。

5 庫内温度と、停電時の備え

冷凍庫の庫内温度は、一般にマイナス15℃以下が食品の保存の目安とされています。使う機種の仕様と、設定温度は必ず確認してください。設定の考え方は業務用冷蔵庫・冷凍庫の適正温度で説明しています。

冷凍庫は止まると中身が使えなくなります。開業前に、次の点を決めておくと安心です。

開業前に決めておくこと

  • 庫内温度を、毎日いつ誰が記録するか
  • 止まったときの食材の移し先があるか
  • 型式と製造年をひかえ、取扱説明書を保管する
  • 扉のパッキンを交換しやすい構造か
  • 放熱部を掃除しやすい位置に置けるか

止まったときの動き方は、業務用冷凍庫が壊れたときの応急処置にまとめています。

6 搬入経路を寸法で確認する

本体が入口、階段、エレベーター、厨房の入口を通れるかを、寸法で確認します。設置の直前になって通れないと分かるケースもあります。タテ型は高さがあるため、天井や扉の高さも見ておきます。

開業後のことも見通して選ぶ

冷凍庫は、買って終わりではありません。放熱部のほこりや、扉のパッキンの傷みは、少しずつ冷えを弱らせます。開業前に点検の頼み先を決めておくと、止まる前に弱りに気づけます。

始めどきは開業後の厨房機器メンテナンスはいつから?に、点検の中身は業務用冷凍庫の保守点検は必要?にまとめています。

冷凍庫の選定は当社へご相談ください

豊翔メンテナンスサービスは、愛知県小牧市を拠点に、愛知・岐阜・三重で飲食店の開業を支援しています。業界歴15年の目で、置き場所、容量、形の決め方からご相談いただけます。

ホシザキ、パナソニック、大和冷機、フクシマガリレイなど主要メーカーの新品を扱っており、機器の選定から、開業後の保守まで一貫してご相談いただけます。設置時の電気・給排水の接続工事は、提携業者と連携して手配できます。内装・配管工事そのものや、中古機器の販売・買取は行っていません。

まだ物件が決まっていない段階でも構いません。お電話・Webでのご相談は無料です。開業全体の流れは開業支援、機器のご案内は機器販売をご覧ください。