開業準備で冷蔵庫を選ぶとき、容量やメーカーに目が行きがちですが、実は「置けるか」「運び込めるか」で失敗するケースが少なくありません。カタログの寸法には収まっていても、扉が開かない、壁との間が狭くて熱がこもる、入口を通らない、といったことが起こります。

この記事では、開業前に測っておきたい設置スペースと搬入経路を、確認する順に整理します。

この記事のポイント

1本体の寸法に加えて、放熱のすき間と扉の開く幅まで含めて置き場所を測る

2入口・通路・階段・エレベーターを本体より大きい寸法で通れるかを確かめる

3置いたあとに電源の位置と床の状態も確認しておく

冷蔵庫そのものの選び方は業務用冷蔵庫の選び方で紹介しています。ここでは、選んだ後の「置き方」に絞ります。

確認する順番

本体の寸法幅・奥行・高さ
放熱のすき間背面・側面・上
扉の開き通路をふさがないか
搬入経路入口から置き場所まで
電源と床コンセント・水平

最初から機種を決めきらず、置きたい場所の寸法を先に測っておくと、候補が絞りやすくなります。

1 本体の寸法と、置きたい場所の寸法

縦型の業務用冷蔵庫は、幅・奥行・高さが機種ごとに違います。同じ容量でも、メーカーやシリーズで寸法が変わります。置きたい場所の幅・奥行・天井までの高さをメジャーで測り、カタログの外形寸法と見比べます。

注意したいのは、外形寸法ぴったりの場所に置こうとしないことです。冷蔵庫は、本体のまわりに少しの余裕がなければ使えません。次の節のとおり、熱を逃がすすき間が必要です。

2 放熱のすき間を残す

冷蔵庫は庫内の熱を、機械部分から外へ逃がして冷やしています。機器のまわりがふさがれていると、熱がうまく逃げず、冷えが弱くなったり、運転が長引いたりします。

壁 壁 冷蔵庫(上から) 背面のすき間 横 隣の機器 扉が開く幅と、人が通る通路 すき間の寸法は機種で違います。仕様書で確認します
上から見た配置のイメージ。必要なすき間は機種の仕様書で確認する

必要なすき間の寸法は、機種や冷却の方式によって違います。取扱説明書や仕様書の「設置」の項目に書かれているため、置き場所を決める前に必ず確かめます。上が低い天井や棚でふさがれている場合も、上方向の放熱に注意が要ります。

置いてから、放熱部のホコリや油が溜まると、すき間があっても冷えが落ちます。掃除のしかたは業務用冷蔵庫の放熱フィン掃除で説明しています。

3 扉の開く幅と通路

冷蔵庫の扉は、開けたときに前へ張り出します。開けたまま作業をするお店では、扉が通路をふさぐこともあります。

確認すること 見るところ
扉を全開にできるか 隣の機器・壁・柱に当たらないか
扉の開く向き 右開き・左開きが動線に合うか
開けたときの通路 人がすれ違える幅が残るか
庫内の棚の出し入れ 棚やトレーを引き出せる余白があるか

扉の向きは、機種によって右開き・左開きを選べる場合と、あとから変えられない場合があります。調理する人の動きに合う向きを、先に決めておきましょう。狭い厨房の配置の考え方は、狭い厨房のレイアウトもご覧ください。

4 搬入経路を寸法で確かめる

置き場所に収まっても、そこまで運べなければ設置できません。次の場所を、本体の寸法より余裕を持って通れるか確認します。

搬入経路のチェック

  • 建物の入口・店の入口の幅と高さ
  • 廊下や通路の幅、曲がり角
  • 階段の幅と、踊り場での回しやすさ
  • エレベーターのかごの寸法と、積める重さ
  • 厨房の入口の段差と扉の幅
  • 置き場所までの床の状態(傷をつけない養生)

本体の寸法は、梱包したときの寸法で考えるのが安全です。入口が狭いときは、扉を外して運べる機種かどうかを、事前に確かめられることがあります。2階以上の物件では、階段やエレベーターの条件が特に重要です。物件が決まっていない段階でも、候補の物件の入口の寸法は聞いておけます。

運搬中に本体を大きく傾けた場合は、すぐに電源を入れず、取扱説明書の指示に従ってください。

5 電源と床の状態

置き場所が決まったら、電源と床も見ておきます。

電源の位置コンセントまで届くか。形や容量が機種に合うか
床の水平傾いていると、扉の閉まりや運転音に影響することがある
水まわり排水が必要な機種は、排水口の位置と高さも確認する

電源の容量や、使える電圧は、店舗ごとに違います。機器が増えるほど、使えるブレーカーの容量が足りなくなることもあるため、厨房の電気容量と200Vもあわせて確認してください。設置時の電気・給排水の接続工事は、提携業者と連携して手配できます。

6 置いたあとのことも考えて

置き場所は、開業後の手入れのしやすさにも関わります。放熱部の掃除ができる位置か、パッキンを交換しやすいか、故障したときに前に引き出せるか、といった点です。

あとで困る置き方

  • すき間がなく、掃除の手が入らない
  • 引き出せず、修理や入れ替えが難しい
  • 調理の熱や油がかかる場所

手入れしやすい置き方

  • 放熱部に手が届く
  • 前に出せる余白がある
  • 熱源や油から離れている

開業後の点検の始めどきは、開業後の厨房機器メンテナンスはいつから?にまとめています。

冷蔵庫の設置スペースの確認は当社へご相談ください

豊翔メンテナンスサービスは、愛知県小牧市を拠点に、愛知・岐阜・三重で飲食店の開業を支援しています。業界歴15年の目で、置き場所の寸法や放熱のすき間、搬入経路の確認からご相談いただけます。

ホシザキ、パナソニック、大和冷機、フクシマガリレイなど主要メーカーの新品を扱っており、機器の選定から開業後の保守まで一貫してご相談いただけます。設置時の電気・給排水の接続工事は、提携業者と連携して手配できます。内装・配管工事そのものや、中古機器の販売・買取は行っていません。

まだ物件が決まっていない段階でも構いません。お電話・Webでのご相談は無料です。開業全体の流れは開業支援、機器のご案内は機器販売をご覧ください。