ラーメン店の厨房は、ほかの業態と比べて火と湯の量が多いのが特徴です。スープの寸胴を何時間も火にかけ、ゆで麺機は営業中ずっと沸かしたまま。厨房の中は湯気と熱がこもります。

この条件で機器を選ぶと、カタログの大きさや値段だけでは決めきれません。ガスの容量が足りるか、排気が追いつくか、熱で冷蔵庫が弱らないか。開業してから気づくと、工事のやり直しや機器の入れ替えになります。

この記事のポイント

1寸胴コンロとゆで麺機は、同時に使う火の量でガス容量と排気が決まる

2湯気と熱がこもるので、冷蔵庫・製氷機は熱源から離して置く計画にする

3機器の候補は物件を決める前に出し、ガス・電気・排気の条件と照らし合わせる

開業準備の全体の流れは飲食店の開業までの流れとスケジュールで、業態を問わず必要な機器は飲食店の開業に必要な厨房機器リストで紹介しています。

ラーメン店の厨房に入る主な機器

まず、一般的なラーメン店で検討する機器の顔ぶれです。メニューや席数で変わりますが、スープ・麺・具材・洗い物の4つの持ち場で考えると漏れが減ります。

スープ寸胴コンロ(スープレンジ)、ガステーブル
麺ゆで麺機(ガス式・電気式)、麺の保管用の冷蔵庫
具材・仕込み台下冷蔵庫(コールドテーブル)、タテ型冷凍冷蔵庫
洗い物・飲み物食洗機、シンク、製氷機

ラーメン屋の厨房レイアウトの考え方

ラーメン屋の厨房レイアウトは、1杯ができるまでの順番に機器を並べるのが基本です。注文を受けてから、麺をゆでる、スープを注ぐ、具をのせる、提供する。この流れの途中で人が行ったり来たりすると、ピークの時間に手が止まります。

スープ寸胴コンロで炊き、営業用を手元へ
麺上げゆで麺機の前が持ち場の中心
盛り付け具材の台下冷蔵庫をすぐ横に
提供カウンターや提供口へ最短で
下げ・洗いどんぶりは盛り付けと交わらない側で洗う

並べるときに見たいところを、場所ごとにまとめました。

場所 レイアウトで気をつけること
寸胴コンロ 重い寸胴を運ぶので、通路の奥や人が交差しない位置に。排気フードの下に入れる
ゆで麺機 給水と排水が必要。盛り付けの台と並べ、湯切りの動きが通路にはみ出さないように
盛り付けの台 下に台下冷蔵庫を入れると、具材を取る動きが一歩で済む
冷蔵庫・製氷機 熱源の真横を避け、あいだに調理台をはさむ
洗い場 下げたどんぶりの流れが、盛り付けの場所と交わらない位置に

レイアウトの基本は飲食店の厨房レイアウトの基本、広さが限られる場合は狭い厨房のレイアウトで解説しています。

寸胴コンロ(スープレンジ)の選び方

スープを炊く寸胴コンロは、ラーメン店の中心になる機器です。選ぶときに見たいのは、次の3点です。

  • 口数と寸胴の大きさ:同時に何本の寸胴を火にかけるか。仕込み用と営業用を分けるかで口数が変わります
  • 火力(ガス消費量):強い火力の機種ほど、店全体のガス容量に影響します
  • 高さ:重い寸胴を上げ下ろしするため、背の低いスープレンジが使われることが多い機器です

長時間火にかける機器なので、吹きこぼれでバーナーが汚れやすく、火が弱くなる・つかないといった不調が出やすい場所でもあります。開業後の手入れについてはガスコンロの火がつかない・火が弱い原因と対処法も参考にしてください。

ゆで麺機はガス式か電気式か

ゆで麺機は、ガス式と電気式で必要な設備が変わります。どちらが良いかは、物件のガス・電気の条件と、1時間に何杯出すかで決まります。

ガス式で確かめること

  • 寸胴コンロと合わせたガスの使用量
  • 都市ガスかプロパンか(機器の仕様が違う)
  • 給水と排水(湯の入れ替え)の位置

電気式で確かめること

  • 200V(動力)が引けるか
  • 契約容量にほかの機器と合わせて収まるか
  • 給水と排水の位置はガス式と同じく必要

ガスの種類と容量は厨房のガス容量と都市ガス・プロパン、電気は厨房の電気容量と200V(動力)でくわしく書いています。ラーメン店はガスの使用量が大きくなりやすいので、ガス式の機器を並べる場合は、物件のガスメーターや配管で足りるかを早めにガス会社に確かめてください。

排気と熱:厨房がこもると機器が弱る

寸胴とゆで麺機の湯気と熱は、排気のフードとダクトで外に出します。排気の能力が足りないと、厨房の温度が上がり、働く人がつらいだけでなく、機器にも負担がかかります。

排気フード 寸胴コンロ ゆで麺機 熱と湯気が出る側 冷蔵庫 製氷機 離す 冷やす機器は、熱源と排気の流れから外して置く
熱源と冷やす機器の置き方の例(配置は一例です)

冷蔵庫や製氷機は、周りの熱を外に逃がしながら冷やす機械です。寸胴コンロのすぐ隣に置くと、冷えが弱くなったり、故障が早まったりします。限られた広さでも、熱源と冷やす機器のあいだに調理台をはさむだけで、かなり違います。狭い厨房での配置の考え方は狭い厨房のレイアウトにまとめています。

なお、フードやダクトの能力を決めて取り付けるのは、内装業者・設備業者の仕事です。当社は排気の工事は行いませんが、置く予定のガス機器の種類と台数を整理して、業者さんと話を合わせるためのお手伝いはできます。

冷蔵庫・製氷機・食洗機は「余裕」を見て選ぶ

ラーメン店では、チャーシューや味玉、スープのストック、麺など、冷やして置くものが意外と多くなります。台下冷蔵庫だけで足りるか、タテ型の冷凍冷蔵庫を置くかは、仕込みのやり方で決まります。冷蔵庫の選び方は業務用冷蔵庫の選び方で解説しています。

機器 ラーメン店で見るところ
冷蔵庫 麺・スープ・具材の量。暑い厨房でも冷える余裕
製氷機 水やお冷のサービス、スープの急冷に使う量
食洗機 どんぶりの枚数と回転。ピーク時に洗い物が追いつくか
グリストラップ スープの油が多い業態。物件にあるか、大きさは合うか

スープの油は排水に流れやすく、グリストラップの手入れが店の負担になりがちです。設置の考え方は飲食店にグリストラップは必要?をご覧ください。

物件を決める前に確かめたいこと

ラーメン店は、物件の設備しだいで置ける機器が決まります。契約してから「ガスが足りない」「排気が付けられない」と分かるのが、いちばん避けたいパターンです。

物件で確かめたいこと

  • 都市ガスかプロパンか
  • ガスの容量を増やせるか(ガス会社に確認)
  • 200V(動力)が引けるか
  • 排気ダクトを外に出せるか
  • 給水・排水の位置と太さ
  • グリストラップの有無と大きさ

居抜き物件で前もラーメン店だった場合でも、残っている機器がそのまま使えるとは限りません。内見では、製造年(銘板)や汚れ、リース品かどうかを自分の目で確かめ、動かなかった場合の扱いを契約で決めておくと安心です。機器の診断は、電気・水道・ガスが使えるようになった引き渡し後に行います。

開業までの進め方

メニューと杯数1時間に何杯出すか
機器の候補寸胴・ゆで麺機・冷蔵の数
物件の条件と照合ガス・電気・排気
レイアウト図熱源と冷やす機器の位置
発注・設置接続工事の手配

開業後は、寸胴コンロのバーナーや冷蔵庫の放熱部が汚れやすい業態です。開業後の手入れの勘所はラーメン店の厨房メンテナンスで紹介しています。

ラーメン屋の厨房でよくある質問

Q. ラーメン屋の厨房レイアウトは、いつ決めればいいですか? A. 機器の候補を出し、物件のガス・電気・排気の条件と照らし合わせたあとに決めます。物件が決まる前に機器の候補と必要な設備を整理しておくと、図面に落とすときの手戻りが減ります。

Q. 寸胴コンロとゆで麺機は隣に並べたほうがいいですか? A. どちらも熱と湯気が出るので、同じ排気フードの下にまとめる置き方がよく取られます。ただし、ゆで麺機は盛り付けの台との近さも大切です。寸胴は営業中に何度も動かすものではないため、奥側に置き、手前でゆで麺機と盛り付けを並べる考え方もあります。

Q. 厨房のレイアウト図は頼めますか? A. 当社では、置く機器と物件の寸法をうかがって厨房のレイアウト図をお作りしています。内装や配管の工事そのものは行いませんが、図をもとに内装業者さんと話を合わせることができます。

ラーメン店の厨房設備は当社へご相談ください

豊翔メンテナンスサービスは、愛知県小牧市を拠点に、愛知・岐阜・三重で飲食店の厨房機器の販売・保守・修理を行っています。業界歴15年、開業前の段階から次のようなお手伝いをしています。

  • 寸胴コンロ・ゆで麺機・冷蔵庫など、杯数と物件の条件に合う機器の選定
  • ホシザキ・パナソニック・大和冷機・フクシマガリレイ・中西製作所・マルゼン・タニコーなど主要メーカーの新品の販売
  • 熱源と冷やす機器の位置を考えた厨房レイアウト図
  • 設置時の電気・給排水の接続工事の手配(提携業者と連携)
  • 開業後の点検・修理

内装や排気ダクト、配管の工事そのもの、中古機器の販売は行っていません。費用は機器や物件の状態で変わるため、まずはメニューと予定の席数をお聞かせください。お電話・Webでのご相談は無料です。くわしくは開業支援と機器販売のページをご覧ください。