厨房機器の中でも、冷蔵庫・冷凍庫や業務用エアコンは24時間、あるいは営業中ずっと動き続けます。省エネ性能の高い機種を選べば毎月の電気代を抑えやすく、国や自治体はこうした設備の導入に補助金を出していることがあります。

ただ、省エネの補助金は「冷蔵庫なら何でも対象」というものではありません。対象になる設備の種類、型番、申請できる事業者、発注してよい時期まで、制度ごとに細かく決まっています。この記事では、開業準備の中で補助金を探すときの手順と、見落としやすい点をまとめます。

この記事のポイント

1探す先は国(SIIの省エネ補助金)と都道府県・市町村。自治体は空調・照明だけが対象のことも

2機器を決める前に、対象設備の一覧と型番、申請できる事業者の条件を確かめる

3多くの制度は交付決定の前に発注・契約すると対象外。開業スケジュールに組み込む

補助金の制度・条件・募集時期は、年度や地域で変わります。この記事は2026年10月時点で公式の案内を確認した一般的な説明です。最新は公式の案内で確認を。

2026年に業務用冷蔵庫の補助金はある?

2026年10月時点では、国の制度として、環境共創イニシアチブ(SII)の「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」(令和7年度補正予算)が、10月5日に4次公募の受付を始めていました。この制度は、対象設備の一覧に載った型番かどうかで補助の対象が決まります。業務用冷蔵庫を検討しているなら、まず候補の機種の型番が一覧にあるかを確かめるところから始めます。

2026年に補助金を探すときの最初の3つ

  • 国(SII)の公募が今受付中か、締切はいつか
  • 候補の冷蔵庫の型番が対象設備の一覧にあるか
  • お店のある県・市町村の制度に冷蔵庫が入っているか

受付期間や交付決定の時期は公募ごとに変わります。申請を考えるときは、必ずその時点の公式の案内で確認してください。

省エネ機器の補助金はどこにあるか

省エネ設備の補助金は、大きく分けて国の制度と自治体の制度があります。窓口の役割も含めると、探す先は次の3つです。

国の制度環境共創イニシアチブ(SII)が執行する省エネ設備の補助金など
県・市町村の制度市内の中小企業向けの省エネ設備導入補助など。地域と年度で中身が違う
相談窓口商工会議所・商工会や自治体の創業窓口。使える制度を一緒に探せる

開業の補助金全般の探し方は飲食店の開業で使える補助金・助成金は?に、省エネに限らず厨房機器に使える制度は持続化補助金で厨房機器は買える?に、愛知県・名古屋市の相談先は創業支援・相談窓口にまとめています。

国と自治体の制度の例

具体的な制度を2つ挙げます。どちらも、年度ごとに名前や中身が変わる前提で読んでください。

国(SII) 名古屋市(令和8年度)
制度名 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)※令和7年度補正予算 中小企業省エネルギー設備等導入補助金
対象設備 一覧に載った「指定設備」。業務用エアコンや冷凍冷蔵庫に関する省エネ量の計算の手引きもある 省エネ設備は高効率空調設備とLED照明
確認の仕方 補助対象設備の一覧と型番の登録で、機種が対象か調べる 市の要綱・申請の手引き
2026年10月時点 4次公募を実施中 8月31日で受付終了

同じ「省エネ補助金」という呼び方でも、対象はまったく違います。名古屋市の令和8年度の制度では、省エネ設備の対象は空調と照明で、冷蔵庫は入っていませんでした。逆に国の制度は対象設備の幅が広い一方、一覧に載った型番かどうかで決まります。

また、既存の設備からの入れ替えを前提にした制度や、すでに事業を営んでいることを条件にした制度もあります。開業前の方は、申請の時点で自分が対象者に入るかを最初に確かめてください。

申請から入金までの流れ

補助金でつまずきやすいのは、手続きの順番です。多くの制度では、交付決定の通知が届く前に機器を発注・契約すると、補助の対象から外れます。名古屋市の制度でも、交付決定日以降に契約・購入・工事を行うことが条件になっていました。

制度を探す国・県・市町村
機種と見積り型番が対象か確認
申請公募期間内に
交付決定ここまで発注しない
導入・報告支払い後に請求

SIIの4次公募では、交付決定は12月下旬の予定と案内されていました。つまり、申請してから発注できるまでに数か月かかることもあります。補助金はふつう後払いなので、機器代はいったん自分で払う必要もあります。開業日から逆算して、補助金を待つ時間と、入金までのお金を用意できるかを先に考えておきましょう。開業準備の全体の流れは飲食店の開業までの流れで確認できます。

よくある失敗

  • 開業日に間に合わせようと先に発注した
  • 選んだ機種が対象設備の一覧に無かった
  • 先着順の受付が予算に達して終わっていた

こうすると安心

  • 機器を決める前に公募要領を読む
  • 見積りの段階で型番が対象か確かめる
  • 補助金が無くても開業できる資金計画にする

公募要領で確かめること

制度が見つかったら、公募要領(自治体なら要綱や申請の手引き)を読みます。量が多いので、まず次の項目に絞って確認すると早く判断できます。

公募要領で最初に見る項目

  • 申請できる事業者(業種・規模・所在地・開業前でもよいか)
  • 対象設備の種類と、型番の一覧の有無
  • 新規の導入でもよいか、入れ替えが条件か
  • 公募期間と、先着順か審査か
  • 交付決定の時期と、事業を終える期限
  • 補助率・上限額と、対象になる経費の範囲

申請書類の作成や手続きに不安がある場合は、商工会議所などの窓口や、行政書士などの専門家に相談する方法があります。なお、補助金の事務局を名乗る不審な勧誘には注意してください。

補助金に頼りすぎない機器選び

補助金が使えるかどうかに関係なく、省エネ性能は機器選びの大事な物差しです。冷蔵庫は容量に合った機種を選び、放熱のすき間を取って設置するだけでも、電気代の差が出ます。選び方の基本は業務用冷蔵庫の選び方、使い方での節電は厨房機器の電気代を下げる方法で紹介しています。

補助金の対象になる高効率の機種でも、店の広さや電源に合っていなければ意味がありません。補助金ありきで機種を決めず、店に合う機種を選んだうえで、対象になるかを確かめる順番がおすすめです。

業務用冷蔵庫の補助金でよくある質問

Q. 業務用冷蔵庫は補助金の対象になりますか? A. 制度によります。国のSIIの省エネ補助金(設備単位型)は、対象設備の一覧に載った型番かどうかで決まり、冷凍冷蔵庫に関する手引きも用意されています。一方、名古屋市の令和8年度の制度のように、省エネ設備の対象が空調と照明だけで、冷蔵庫が入っていないものもあります。

Q. 開業前でも申請できますか? A. 制度ごとに条件が違います。既存の設備からの入れ替えや、すでに事業を営んでいることを条件にした制度もあるため、公募要領の「申請できる事業者」を最初に確かめてください。

Q. 冷蔵庫を買ってから申請できますか? A. 多くの制度では、交付決定の前に発注・契約した機器は対象から外れます。補助金を使うつもりなら、申請と交付決定を待ってから発注する段取りが必要です。

Q. 製氷機にも補助金は使えますか? A. 考え方は冷蔵庫と同じで、その制度の対象設備に製氷機が入っているか、型番が一覧に載っているかで決まります。気になる機種があれば、型番を控えて公募要領と照らし合わせてください。

省エネ機器の選定と補助金の情報は当社へご相談ください

豊翔メンテナンスサービスは、愛知・岐阜・三重で飲食店の開業をお手伝いしています。業態の提案、物件探しのサポート、厨房のレイアウト図、機器の選定から、ホシザキ・パナソニック・大和冷機・フクシマガリレイなど主要メーカーの新品の販売、開業後の保守まで、厨房まわりをまとめてご相談いただけます。設置時の電気・給排水の接続工事は、提携業者と連携して手配します。

補助金については、使えそうな制度の情報をご案内します。申請は専門家と連携してご案内し、当社が代行することはありません。補助金の対象かどうかを確かめるための機種の型番や見積りは、機器選びとあわせてご用意できます。お電話・Webでのご相談は無料です。開業支援の詳細はこちら/機器販売のご案内。

参照した公式情報:一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」、名古屋市「中小企業省エネルギー設備等導入補助(受付終了)」(2026年10月確認。SIIの4次公募の開始は2026年10月25日に再確認)