「オーブンが古くなってきたけれど、買い替える資金がない。持続化補助金は使えないか」。営業中のケーキ店やパン店、飲食店のオーナーさんから、こうした相談をいただくことがあります。

小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉の第20回は、2026年11月5日(木)に申請の受付が始まります。厨房機器は対象経費の「機械装置等費」に入りえますが、条件があります。壊れた機器を同じ物に替えるだけなら、まず対象になりません。この記事では、すでに営業しているお店が厨房機器の入れ替えで使うときの考え方を、公募要領をもとにまとめます。

※ 補助金の内容・条件・日程は、公募の回ごとに変わります。この記事は2026年10月時点で、第20回の公募要領(第8版)と事務局の案内を確認した一般的な説明です。最新の内容は、必ず公募要領と、お店のある地域の商工会議所・商工会で確認してください。

この記事のポイント

1厨房機器も新しい売上をつくる取り組みに必要な物なら対象になりうる。同じ機器への単なる買い替えは対象外

2第20回は様式4の発行依頼が12月4日(金)まで、電子申請が12月15日(火)17時まで(予定)

3補助金は後払い。交付決定の前に買った機器は対象外なので、今の機器がそれまで持つかが分かれ目

これから開業する方は、別の枠の<創業型>が候補になります。そちらは持続化補助金は飲食店の開業に使える?<創業型>の対象と注意点をご覧ください。

厨房機器が対象になるかの分かれ目

持続化補助金は、お店が自分で立てた経営計画にそって行う販路開拓(新しいお客様や売り方を増やす取り組み)を支援する制度です。公募要領では、機械装置等費について「単なる取替え更新」の機械装置は対象外と書かれています。対象になる経費の例には「生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫」や「衛生向上や省スペース化のためのショーケース」が挙がっています。

機器の種類だけで対象かどうかが決まるわけではありません。問われるのは、その機器で何を新しく始めるかです。

対象外になりやすい例

  • オーブンが壊れたので、同じ型の物に替える
  • 古くなった冷蔵庫を、同じ使い方のまま新しくする
  • 修理の代金(修理費は対象外)
  • 古い機器の撤去・処分の費用

対象になりうる例

  • 焼成量を増やせるオーブンで、ギフト用の焼き菓子を新しく売り出す
  • 冷蔵ショーケースを増やして、テイクアウトの商品を並べる
  • どちらも、売上がどう増えるかを計画書で説明できる

公募要領では、補助事業が終わってからおおむね1年以内に売上につながる見込みのない事業も対象外とされています。「新しい機器を入れたい」だけでは計画になりません。誰に、何を、どう売って、売上がいくら増えそうか。そこまで書けるかどうかが審査の前提です。

対象になりうる計画の例

たとえば、次のような組み立て方があります。どれも対象になりうる例で、採択されるかは計画の中身と審査で決まります。

ケーキ店・パン店新しいオーブンで焼き菓子のギフトや通販、イベント出店を始める
惣菜・弁当冷蔵ショーケースを増やして、店頭のテイクアウト販売を始める
カフェ製氷機を増設して、夏のドリンクのテイクアウトを広げる
飲食店冷凍冷蔵庫を入れて、自家製品の卸や物販を始める

ポイントは、今の機器では新しい取り組みができない理由を説明できることです。「今のオーブンは1回に焼ける量が少なく、ギフトの注文を受けられない」のように、能力の差と売上の見込みをつなげて書けると、計画として筋が通ります。今の機器と新しい機器で、焼ける量や冷蔵の容量、製氷能力を比べたいときは、当社でメーカーの仕様をお調べします。

第20回の補助額と日程

補助額と日程は次のとおりです(2026年10月時点の公募要領第8版より)。

項目 内容
補助率 2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)
補助上限 50万円
特例の上乗せ インボイス特例 50万円/賃金引上げ特例 150万円/両方 200万円
様式4の発行受付締切 2026年12月4日(金)
申請受付 2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00
採択発表 2027年3月頃の予定
補助事業の実施期限 2028年3月31日(金)

日程はいずれも予定で、変更の可能性があります。特例は要件がこまかく決まっていて、希望したのに要件を1つでも満たさないと、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されません。使うかどうかは商工会議所・商工会と相談して決めてください。

計算の例です。特例を使わず、税抜90万円のオーブンを計画に入れた場合、2/3は60万円ですが、上限の50万円までになります。残りの40万円は自己負担です。課税事業者の場合は、消費税分も対象経費から除いて計算するので、その分も自己負担になります。

「小規模事業者」にも基準があります。飲食店のような商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は、常時使用する従業員が5人以下。製造業その他は20人以下です。お店がどちらに当たるか、パートさんや家族をどう数えるかは、公募要領と商工会議所・商工会で確かめておきましょう。

申請から入金までの流れ

相談地域の商工会議所・商工会へ
計画と見積り経営計画と補助事業計画、機器の金額をまとめる
様式4の発行12月4日(金)まで
電子申請12月15日(火)17時まで
採択2027年3月頃の予定
交付決定見積書を出し、採択から1〜2か月が目安
発注・支払いここで初めて買える
実績報告・入金報告と確認のあとに補助金

様式4(事業支援計画書)は、商工会議所・商工会が発行する書類です。締切を過ぎるとどんな理由でも発行されないと公募要領に書かれているので、12月4日より前に余裕をもって相談を始めてください。申請は電子申請だけで、GビズIDプライムのアカウントが必要です。公募要領によると取得には数週間ほどかかるそうなので、まだの方は先に手続きしておきましょう。

採択のあとは、価格が妥当だと分かる見積書を事務局に出します。発注1件あたり税込50万円を超える機械装置は、2者以上の見積りが必要です。

資金繰りの注意点

いちばん大事なのは、交付決定の前に発注・契約・支払いをした経費は対象外という点です。上の日程どおりに進んでも、機器を発注できるのは早くて2027年の春以降になる見込みです。年末に今の機器が壊れて急いで買い替えれば、その分は対象外です。

申請前に確かめること

  • 今の機器が、交付決定まで動きそうか
  • 補助金が入るまで、機器代の全額を払えるか
  • 不採択でも、計画を続けるか止めるか
  • 単価税抜50万円以上の機器は、処分に制限がかかる
  • 支払いは銀行振込が原則(1取引10万円超〈税抜〉の現金払いは不可)
  • GビズIDプライムを取ってあるか

補助金は審査があり、通らないこともあります。採択されても入金は実績報告のあとなので、機器代はいったん全額を自分で払います。自己資金で足りない分は、日本政策金融公庫などの融資と組み合わせる考え方もあります(日本政策金融公庫で飲食店の開業資金を借りるには)。

単価税抜50万円以上の機器は「処分制限財産」になり、入金後も一定の期間は、売ったり捨てたりするのに事務局の承認が要ります。補助金は収益として扱われ、法人税・所得税がかかります。税金のことは税理士にご確認ください。

今の機器が持ちそうにない場合は、補助金を待たずに修理するか買い替えるかを先に決めたほうが安全です。判断の目安は業務用厨房機器は修理と買い替え、どっちが得?にまとめています。省エネ性能の高い冷蔵庫なら、別の補助金が使えることもあります(業務用冷蔵庫の補助金はある?)。

補助金を使った機器の入れ替えは当社へご相談ください

豊翔メンテナンスサービスは、愛知・岐阜・三重で業務用厨房機器の販売と保守・修理をしています。ホシザキ・パナソニック・大和冷機・フクシマガリレイ・中西製作所・マルゼン・タニコーなど主要メーカーと直接取引があり、補助金を考えているお店には次のことをお手伝いできます。

  • 計画に合わせた機器の選定と、今の機器との能力の比較
  • 申請や交付決定の手続きに出す見積書の作成
  • 主要メーカーの新品の販売と、設置の手配(電気・給排水の接続工事は提携業者と連携)
  • 導入後の点検・修理などの保守

一方で、申請の代行や計画書の作成はしていません。申請はお店ご自身で行っていただき、計画づくりは地域の商工会議所・商工会や専門家にご相談ください。「この使い方なら、どのオーブンが合う?」「見積書だけ先に欲しい」という段階からで構いません。お電話・Webでのご相談は無料です。機器販売のご案内はこちら。

参照した公式情報:小規模事業者持続化補助金事務局「小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>」第20回 公募要領(第8版)、独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21「『持続化補助金<一般型・通常枠>』第20回公募要領を公開 受け付け開始は11月5日」(2026年10月確認)