朝いちばんに暖房を入れたのに、なかなか温かい風が出てこない。営業中に急に風が冷たくなり、しばらくするとまた温風に戻る。冬の飲食店でよく受けるご相談です。

暖房の効きが悪いとき、実は故障ではなくエアコンが正常に動いている途中ということも少なくありません。修理を呼ぶ前に確かめられることが、冷房のときより多いのが暖房の特徴です。

この記事のポイント

1寒い日に温風が止まるのは、多くは室外機の霜を溶かす霜取り運転。しばらく待つと温風に戻る

2運転モード・設定温度・風向き、フィルターと室外機の周りは自分で確かめられる

3ずっと冷たい風のまま、エラー表示が出る、室外機が氷で覆われる場合は空調設備の修理業者へ

冷房が効かないときの原因は業務用エアコンが効かない・冷えない原因、電源が入らないときは業務用エアコンが動かない・電源が入らない原因で説明しています。ここでは暖房に絞ります。

よくある原因

まず、暖房の仕組みをざっくり押さえておくと、原因の見当がつけやすくなります。暖房では、室外機が外の空気から熱を集め、その熱を冷媒(ガス)にのせて室内機へ運び、温風として吹き出しています。

店内 屋外 室内機 温風 室外機 寒い日は霜がつく 冷媒の配管 外の空気から熱を集める
暖房の流れ(つなぎ方や台数は店舗によって違います)

この流れのどこかがうまくいかないと、暖房が効かなくなります。原因は、故障ではないものと、点検や修理がいるものに分けて考えます。

症状 考えられる原因 故障か
運転を始めてしばらく風が出ない 室内機が温まるまで送風を止めている(予熱) 故障ではない
寒い日に温風が止まり、しばらくして戻る 室外機についた霜を溶かす霜取り運転 故障ではない
風は出るがぬるい、効きが弱い フィルターの目詰まり、設定、室外機の周りがふさがっている 手入れで直ることが多い
ずっと冷たい風のまま 運転モードの誤り、または冷媒や部品の不良 設定を確かめ、直らなければ点検
エラー表示が出て止まる センサーや基板、ファンなどの不良 点検が必要

霜取り運転は、暖房のときに起きる代表的な現象です。外の気温が低く湿気が多い日は、室外機の熱交換器に霜がつきます。霜がつくと熱を集められなくなるので、エアコンは自動で温風を止め、霜を溶かしてから暖房に戻ります。その間、室外機から湯気が出たり、水が流れ出たりすることもありますが、これも正常な動きです。リモコンや室内機の表示で霜取り中が分かる機種もあります。

もうひとつ、飲食店ならではの原因が換気です。厨房の換気扇を強く回していると、温まった空気が外へ引っ張られ、客席側が暖まりにくくなります。給気が足りないと、入口の扉のすき間から冷たい外気が入り続けることもあります。エアコンそのものに問題がなくても、効きが悪く感じるのはこのためです。

今すぐできる確認

故障を疑う前に、次の順番で確かめてください。上から順に、手間の少ないものです。

表示を見る霜取り中・予熱中・エラーの表示がないか
設定を見る運転モードが暖房か、設定温度、風向き
フィルターほこりや油で目詰まりしていないか
室外機周りに物や雪がないか
  • 表示の確認:霜取り中や予熱中の表示なら、しばらく待てば温風に戻ります。エラー番号が出ている場合は、番号を控えておくと修理の相談が早く進みます。
  • 設定の確認:運転モードが冷房や送風、自動のままになっていないか見てください。暖かい空気は上にたまるので、風向きは下向きにすると足元まで届きやすくなります。
  • フィルターの掃除:電源を切ってから外し、ほこりを落とします。厨房に近い室内機は油を吸って汚れが早いので、冷房の時期より効きの差が出やすい場所です。掃除の目安は業務用エアコンのクリーニング頻度をご覧ください。
  • 室外機の周り:吹き出し口や吸い込み口の前に段ボールや資材を置いていないか、雪が積もっていないかを確かめます。

取扱説明書で、お使いの機種の霜取り運転の表示や、フィルターの外し方を確かめておくと安心です。取扱説明書が見当たらないときは、型式が分かれば当社でご用意します(古い機種など、用意できない場合もあります)。

自分でできるのは、ここまで

業者を呼ぶべき目安

ここまで確かめても効きが戻らないときは、原因が「部品・冷媒」か「汚れ」かで、相談する先が変わります。まず、次のような症状は部品の故障や冷媒(ガス)の不足が考えられます。

ずっと冷たい風のまま暖房になっているのに温風に戻らない。冷媒の不足や部品の不良が考えられる
エラー表示で止まる電源を入れ直しても同じ番号が出る。センサーや基板、ファンの不良などが考えられる
室外機が氷で覆われる霜取り運転のあとも霜や氷が残り、厚くなっていく

ほかにも、温風が止まる回数が明らかに多い、室外機から大きな音がする、といった場合も部品の不調が考えられます。焦げ臭いにおいがするときは、すぐ運転を止めてください。

冷媒の不足は、どこかから漏れているおそれがあり、補充だけでは直りません。業務用エアコンは機器によってフロン排出抑制法の点検の対象にもなります(詳しくは環境省・経済産業省の案内で確認を)。点検の義務についてはフロン排出抑制法の簡易点検とはで整理しています。

部品の故障や冷媒(ガス)の修理、基板・コンプレッサー・ファンモーターなどの修理は、当社では承っていません。空調設備の専門業者や、メーカーのサービス窓口にご相談ください。相談するときは、室内機と室外機の型式、エラー表示、どんなときに効かないか(朝だけ、ずっと、など)を伝えると話が早く進みます。

一方で、次のような場合は汚れが原因のことがあります。

  • 風は出ているのにぬるい・弱い(フィルターを掃除しても変わらない)
  • 吹き出し口の奥に、黒い汚れや油のベタつきが見える
  • 暖房のときに、カビ臭いにおいがする
  • 室内機から水が垂れる

熱交換器の油汚れや、ドレン(排水)の詰まりが原因の場合は、当社の業務用エアコンの洗浄で改善することがあります。料金はお問い合わせください。

当てはまるものがあれば、お電話ください。

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平日 9:00〜18:00 お電話・Webでのご相談は無料です

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予防のポイント

暖房の不調は、寒さが本格的になってから気づくことがほとんどです。冷房シーズンが終わって暖房に切り替える前に、一度試しておくと慌てずに済みます。

真冬に気づくと

  • 寒い客席で営業することになる
  • 修理の依頼が混み合う時期と重なる
  • 部品の取り寄せで日数がかかることも

秋のうちに試運転すると

  • 温風が出るかを先に確かめられる
  • フィルター掃除をすませてから冬に入れる
  • 不調があれば定休日に修理を予定できる

試運転では、暖房に切り替えて温風がしっかり出るか、変な音やにおいがしないかを見ます。あわせてフィルターを掃除し、室外機の周りを片付けておけば、冬の効きの悪さはかなり減らせます。

業務用エアコンを定期的に見てもらう考え方は飲食店の業務用エアコン、保守点検は必要?に、冬の厨房全体の備えは冬の厨房トラブル対策にまとめています。