ラーメン店やうどん・そば店では、ゆで麺機は開店から閉店まで沸かしっぱなしの機器です。朝の仕込みでお湯が沸かない、昼のピークに湯温が戻らない。そうなると麺がゆでられず、店を開けていても注文を受けられません。
ゆで麺機の不調は、大きく分けると「お湯が沸かない・沸くのが遅い」と「水位が合わない」の2つです。ガス式か電気式かでも、確かめる場所が変わります。この記事では、お店で確かめられることと、業者に任せたほうがよいところを順に説明します。
この記事のポイント
1沸かないときは、ガス式は元栓と点火、電気式はブレーカーから確かめる
2水位が下がる・水が止まらないときは、給水の元栓と排水栓の閉め忘れをまず見る
3ガス臭い、何度つけても火が消える、水が止まらないときは使用をやめて点検を
よくある原因
ゆで麺機のつくりは機種ごとに違いますが、お湯をためる槽、それを温めるバーナー(ガス式)またはヒーター(電気式)、水を足す給水口、お湯を抜く排水栓でできている点はおおむね共通です。原因の場所は、症状を見ればある程度しぼれます。
| 症状 | まず疑うところ |
|---|---|
| ガス式で火がつかない | ガスの元栓、点火部の汚れ・濡れ、ゆで汁の吹きこぼれ |
| 火はつくがすぐ消える | 立ち消え安全装置、炎口の目詰まり |
| 電気式で温まらない | ブレーカー、ヒーターや温度を制御する部品 |
| 沸くのが前より遅い | 炎口の目詰まり、槽の底の水あか(スケール) |
| 水位が下がり続ける | 排水栓の閉め忘れ・すき間、給水が止まっている |
| 水が止まらない・あふれる | 給水の量の調整、水位を保つ部品の不具合 |
ガス式でとくに多いのが、ゆで汁の吹きこぼれです。でんぷんを含んだゆで汁がバーナーにかかると、点火部が濡れて火がつきにくくなったり、炎の出る穴(炎口)が詰まって火力が落ちたりします。目詰まりの掃除のしかたは業務用ガスコンロの目詰まり掃除と空気調整でも紹介しています。
沸くのが遅くなったときは、槽の底に水あかがたまっていることもあります。一日中お湯を沸かす機器なので、水道水に含まれる成分が少しずつ底に残り、熱が伝わりにくくなります。
今すぐできる確認
部品のカバーは外さず、外から見て確かめられるところだけを順に見ていきます。ガス式の場合、ガス臭いと感じたら確認を続けず、下の「業者を呼ぶべき目安」の対応をしてください。
- ガス式は元栓、電気式はブレーカー:ほかのガス機器はつくか、ブレーカーが落ちていないかを見ます。ほかのガス機器もつかないなら、ガスの供給側を疑います
- 給水の元栓と排水栓:給水の元栓が閉まっていないか。排水栓が少し開いたままで、お湯が抜け続けていないか
- 吹きこぼれの跡:バーナーのまわりにゆで汁がかかって濡れていたら、しばらく乾かしてから点火し直します
- 水位の目安線:お湯が目安の線より少ない状態で加熱を続けないようにします
お店でやってよいこと
- 元栓・ブレーカー・給水の元栓の確認
- 排水栓がきちんと閉まっているかの確認
- 吹きこぼれを拭き取り、乾かしてから点火
- 症状・エラー表示・型式のメモ
やらない方がよいこと
- ガス臭いのに点火を続ける
- カバーを外してバーナーや配線に触る
- お湯が少ないまま加熱を続ける
- 安全装置を押さえたまま使い続ける
火はつくのに、つまみを離すとすぐ消える場合は、立ち消え安全装置のまわりに汚れがついていることがあります。考え方はガスコンロの火がすぐ消える原因にまとめています。
自分でできるのは、ここまで
業者を呼ぶべき目安
次のような場合は、お店で確かめられる範囲を超えています。営業中でも無理に使い続けず、点検をご依頼ください。
- 元栓・ブレーカー・給水を確かめても、お湯が沸かない
- 何度点火しても火がすぐ消える、炎が赤い・不安定
- 給水を止めても水が止まらない、または水位が保てない
- ブレーカーがくり返し落ちる(電気式)
- エラー表示やランプの点滅が消えない
- 槽やまわりから水漏れがある
ガス臭いと感じたときは、すぐ使用を中止し、ガス会社・消防へ連絡してください。火をつけない、換気扇や照明のスイッチに触れない、窓や扉を開けて換気する、が基本です。くわしくはガスコンロの火がつかない・ガス臭いときの対処をご覧ください。
ご連絡のときは、本体の銘板(ラベル)にある型式、ガス式か電気式か、症状がいつから出ているかを伝えていただくと、見立てが早くなります。伝え方は厨房機器の修理を頼むときに伝えることにまとめました。取扱説明書が見当たらない場合も、型式が分かれば当社でご用意します(古い機種など用意できない場合もあります)。ガス機器の修理は業務用ガス機器の修理、料金はサービス・料金のページをご覧ください。費用は機器や状態で変わります。
予防のポイント
ゆで麺機の不調の多くは、吹きこぼれと水あかが積み重なって起きます。毎日の手入れで、かなり減らせます。
毎日・定期の手入れ
- 吹きこぼれはその日のうちに拭き取る
- 閉店後はお湯を抜き、槽の中を洗う
- 槽の底の水あかをためない
- てぼ(麺かご)や仕切りの汚れを落とす
- 排水栓のまわりのごみを取る
- 炎の色と形をときどき見る
お湯を沸かす量が多いお店ほど、水あかはたまりやすくなります。落とし方は機種の取扱説明書に沿って行い、強い薬剤や金属のたわしで槽を傷つけないようにしてください。
炎の形が変わった、沸くまでの時間が延びた、という小さな変化は、故障の前ぶれのことがあります。定期点検では、バーナーや安全装置、給水まわりの状態もあわせて確かめます。点検の中身は厨房機器の保守契約で何をしてくれる?で紹介しています。ラーメン店の厨房全体の注意点はラーメン店の厨房メンテナンスもあわせてご覧ください。


