業務用のガスコンロは、煮こぼれと油を毎日浴びています。気づかないうちにバーナーの穴が詰まり、「最近、火が弱い」「炎の一部だけ短い」「赤っぽい火が混じる」という変化が出てきます。
こうした症状の多くは、炎が出る穴(炎口)の目詰まりか、ガスと混ぜる空気の量のずれが原因です。この記事では、お店でできる掃除の手順と、空気の調整の考え方、そして自分で触らないほうがよい症状を順に説明します。
この記事のポイント
1火が弱い・炎がそろわないのは、炎口の目詰まりが多い
2掃除は元栓を閉めて冷めてから。穴を広げず、よく乾かして戻す
3ガス臭い・炎が直らない・すぐ消えるときは自分で触らずプロへ
ガス臭いときは、すぐ使用を中止し、火をつけず、換気扇や照明のスイッチにも触れずに窓を開け、ガス会社・消防へ連絡してください。この記事の掃除は、ガス臭さのない状態で行う手入れです。
正しい炎と、目詰まり・空気のずれの見分け方
まずは炎を見て、どの状態に近いかを確かめます。正常な炎は青く、内側に小さな円すい形の炎がはっきり見えます。
赤や黄色の炎は、空気が足りず燃え切っていないサインで、不完全燃焼につながります。換気を強め、早めに原因を取り除いてください。炎の色についてはガス機器の炎が赤い・オレンジ色になる原因で詳しく書いています。
なお、塩分を含む煮こぼれが炎に触れると、その瞬間だけ炎がオレンジ色に見えることがあります。鍋を外しても赤い火が続くかどうかで見分けてください。
目詰まりが起きる原因
業務用コンロのバーナーには小さな炎口が並んでいます。ここに次のような汚れがたまると、ガスが出る量がそろわなくなります。
- 煮こぼれた汁や麺のゆで汁が、焦げて固まったもの
- 揚げ物や炒め物で飛んだ油
- 汚れを落とそうとして水をかけ、乾かないまま残ったもの
一部の穴だけ炎が短い、周りの一部だけ火がつかない、という症状は、ほぼ目詰まりと見てよい状態です。
目詰まりを掃除する手順
掃除は、閉店後などコンロが十分に冷めてから行います。作業の流れは次のとおりです。
炎口の詰まりは、金属たわしやワイヤーブラシで表面の焦げを落とし、穴に残ったものは竹串のような細い棒で取り除きます。穴を広げたり、形を変えたりすると、炎がかえって乱れるので、力を入れてこじらないでください。
外した部品を水洗いした場合は、完全に乾かしてから戻します。濡れたまま点火すると、火がつきにくかったり、炎が不安定になったりします。戻したら点火して、炎が全周そろって青く出るかを確かめます。
お店でやってよいこと
- 五徳・汁受けの洗浄
- 外せるバーナーキャップの清掃
- 炎口の焦げ・詰まりを取る
- 空気調節つまみを説明書の範囲で動かす
やらないこと
- ガス管やつなぎ目を外す
- 工具で本体を分解する
- 炎口を削る・広げる
- ガス臭いまま点火して試す
空気調整の考え方
業務用コンロの多くには、ガスに混ぜる空気の量を変える空気調節のつまみやシャッターが付いています。掃除をしても炎が赤い、または浮くときは、ここがずれていることがあります。
| 炎の状態 | 考えられること | 調整の向き |
|---|---|---|
| 赤・黄色で長く揺れる | 空気が足りない | 空気を増やす |
| 炎が浮く・音が大きい・消えやすい | 空気が多すぎる | 空気を減らす |
| 一部だけ炎が短い | 炎口の目詰まり | 調整より先に掃除 |
調整は少しずつ動かし、そのたびに炎の色と形を見ます。つまみの位置や動かし方は機種で違うので、取扱説明書で確認してください。説明書が見当たらない場合も、型式が分かれば当社でご用意します(古い機種など、用意できない場合もあります)。つまみが見当たらない、動かしても炎が変わらない場合は、無理に触らずご相談ください。
掃除で直らないときは
次のような症状は、掃除や空気の調整では直らない原因が考えられます。
プロに任せたい症状
- 掃除しても赤い火や浮く炎が直らない
- 火がついてもすぐ消える
- 点火に何度も失敗する
- 器具栓のつまみが固い・戻らない
- 使っているとすすが出る
- 少しでもガス臭い(すぐ使用を中止)
すぐ消える症状は、立ち消え安全装置の汚れや劣化が関わることがあります。原因の見方はガスコンロの火がすぐ消える原因、火がつかない・弱い症状は業務用ガスコンロの火がつかない・火が弱い原因をご覧ください。
目詰まりは、毎日の汁受けの掃除と、週に一度の炎口の確認でかなり防げます。煮こぼれをその日のうちに拭き取るだけでも、焦げが固まる前に落とせます。
ラーメン店やうどん店のように、寸胴やゆで麺で一日中お湯を沸かしているお店は、ゆで汁の吹きこぼれで詰まりやすい傾向があります。営業中に炎の形が変わったと感じたら、その日の閉店後に炎口を見ておくと、翌日の仕込みで火力が足りないという事態を避けられます。目詰まりを放っておくと火力が落ち、同じ料理に時間とガスが余分にかかるので、掃除の手間はガス代の節約にもつながります。
目詰まり掃除のよくある質問
Q. バーナーを強火で焼いて、目詰まりを落としてもいいですか? 当社ではおすすめしていません。焦げを焼き切ろうとしても、炎口の中に固まった汚れが残ることがあり、炎がそろわないまま使い続けることになりがちです。この記事の手順のように、元栓を閉めて冷めてから、ブラシと細い棒で汚れを取り除くほうが確実です。
Q. 不完全燃焼の赤い火は、どう直せばいいですか? まず換気を強め、炎口の目詰まりを掃除します。それでも赤い火が続くときは、空気調節のつまみで空気を少しずつ増やします。掃除と調整をしても直らない、すすが出る、少しでもガス臭いときは、自分で続けずにご相談ください。ガス臭いときは、すぐ使用を中止し、ガス会社・消防へ連絡してください。
Q. どのくらいの頻度で掃除すればいいですか? 汁受けは毎日、炎口は週に一度の確認が目安です。寸胴やゆで麺で吹きこぼれが多いお店は、炎の形が変わったと感じた日の閉店後にも見ておくと安心です。
ガスコンロの火の不調はご相談ください
豊翔メンテナンスサービスは、愛知県小牧市を拠点に、愛知・岐阜・三重の飲食店でガスコンロ・中華レンジ・ガス炊飯器などのガス機器の修理と点検を行っています。都市ガス・プロパンのどちらにも対応し、メーカーを問いません。
「掃除しても炎が赤い」「一つのバーナーだけ火が弱い」といった段階でのご相談も承ります。作業の内容や費用は機器や状態で変わります。お電話・Webでのご相談は無料です。ガス機器の修理の内容はガスコンロ・ガス機器の修理、料金はサービス・料金をご覧ください。保守契約のない単発の修理は、出張費 愛知県内6,000円〜・基本作業費6,000円〜(税抜・部品代別途)です。


