仕込みの時間にオーブンへ火を入れようとしたら、カチカチと音がするだけで点かない。グリラーの種火が点いても、つまみから手を離すと消えてしまう。焼き物の多い店では、これだけでその日の段取りが崩れます。
ガスオーブンやグリラーの点火不良は、ガスが来ていない、火花が飛んでいない、炎を見張る安全装置が働いている、バーナーが汚れている、のどれかであることがほとんどです。順番に確かめれば、自分で戻せるものと業者に任せるものを分けられます。
この記事のポイント
1点火しない原因はガスの供給、点火装置、安全装置、汚れの4つに分けて考える
2元栓、電源、つまみの押し時間、バーナーまわりの汚れは自分で確かめられる
3ガス臭いときは点火を続けず、すぐ使用を中止し、ガス会社・消防へ
よくある原因
業務用のガスオーブンやグリラーの多くは、小さな種火(パイロットバーナー)に点火してから、主バーナーに火を移す仕組みです。どこで止まっているかで、原因の見当がつきます。
| 点かないときの様子 | 考えられる原因 |
|---|---|
| カチカチ音もしない | 点火装置の電池切れ、電源プラグ・ブレーカー、点火装置の故障 |
| 火花は見えるが点かない | ガスが来ていない(元栓・ガス栓)、種火の口の詰まり |
| 種火は点くが手を離すと消える | 押す時間が短い、安全装置(熱電対など)の汚れ・位置ずれ・劣化 |
| 種火は点くが主バーナーに移らない | 主バーナーの炎口の詰まり、ガス量の調整のずれ |
| しばらく使うと火が消える | 安全装置の劣化、換気不足、吹きこぼれや油汚れ |
コンロで同じ症状が出ている場合は、ガスコンロの火がつかない原因やガスコンロの火がすぐ消える原因もあわせてご覧ください。
今すぐできる確認
作業の前に、まず周りにガスのにおいがないかを確かめてください。ガス臭いときは点火を試さず、すぐ使用を中止し、窓を開け、換気扇や照明のスイッチには触らずに、ガス会社・消防へ連絡してください(ガスコンロの火がつかない・ガス臭いときの対処)。
においがなければ、次の順番で確かめます。
- 元栓とガス栓:清掃や休みの後に閉めたままになっていることがあります。同じ配管のほかの機器が点くかも見ておくと、ガスの供給の問題か器具の問題かを分けられます。
- 電池・電源:電池で火花を飛ばす機種は、電池が弱ると音が小さくなり、やがて火花が出なくなります。コンセントにつなぐ機種は、プラグとブレーカーを確認します。
- つまみの押し方:種火の機種は、点いてからしばらくつまみを押し続けないと、安全装置がガスを止めます。取扱説明書にある時間を守ってください。
- 種火まわりの汚れ:火を消して十分冷めてから、焦げや吹きこぼれが種火の口や安全装置の先端についていないかを見ます。乾いたブラシで軽く落とす程度にとどめます。
点火に失敗したら、続けて何度も試さず、庫内にたまったガスが抜けるまで少し時間をおいてからやり直します。取扱説明書が手元にない場合は、型式が分かれば当社でご用意します(古い機種など、用意できない場合もあります)。
自分でできるのは、ここまで
業者を呼ぶべき目安
次のような場合は、部品の劣化や調整が必要なことが多く、無理に使い続けないでください。
相談をおすすめする症状
- 上の確認をしても点かない
- 火花がまったく出ない
- 押し続けても手を離すと消える
- 点くまでに何度もかかる
- 点火のときにボンと大きな音がする
- 炎が赤い・黄色い、すすが出る
- 使っている途中で火が消える
- 少しでもガス臭い(すぐ中止)
点火のときの「ボン」という音は、ガスがたまってから火がついている合図です。そのまま使い続けると危険なので、早めに点検を受けてください。炎の色についてはガスの炎が赤い・黄色い原因で説明しています。
安全装置や点火装置、ガスの調整にかかわる部品は、分解や交換を自分で行わないでください。当社のガス機器の修理については業務用ガス機器の修理、費用の考え方はサービス・料金をご覧ください。費用は機器や状態で変わります。
予防のポイント
点火不良の多くは、種火や安全装置まわりの汚れから始まります。焼き物で脂が飛びやすいグリラーは、とくに汚れの進みが早い機器です。
点火不良を招きやすい使い方
- 受け皿の脂をためたまま使う
- 吹きこぼれをそのままにする
- 点かないまま何度も続けて試す
- 換気扇を回さずに使う
長く安定させる使い方
- 受け皿・網を毎日洗う
- 冷めてから種火まわりを拭く
- 点きにくくなったら早めに相談
- 定期点検で炎と安全装置を見てもらう
「最近、点くまでに時間がかかる」という段階で点検すれば、営業中に止まる前に手を打てます。オーブンやグリラーを含めて厨房機器をまとめて見てもらう方法は、保守契約で何をしてくれる?で紹介しています。


