業務用の冷蔵庫やエアコンを使うお店には、3か月に1回の簡易点検が求められています。これとは別に、ある程度大きな機器にだけかかるのが定期点検です。こちらはお店の方が目で見るだけでは済まず、専門の知識を持つ人に頼む必要があります。
困るのは「うちの機器が対象なのか」がすぐには分からないことです。判断の決め手は、機器の銘板に書かれた圧縮機の出力です。この記事では、対象の見分け方と頼み方を順に説明します。
この記事のポイント
1定期点検の対象は、圧縮機の出力が7.5kW以上の業務用エアコン・冷凍冷蔵機器
2出力は室外機などの銘板で確かめる。同じ冷媒系統の圧縮機は合算して判断
3点検は十分な知見を持つ人に依頼し、結果を記録して廃棄後3年まで保存する
制度の内容や運用は、改正などで変わることがあります。この記事は環境省の公開資料をもとにした一般的な説明です。最新の内容は、環境省・経済産業省の「フロン排出抑制法」の案内で確認してください。
定期点検の対象と頻度
フロン排出抑制法では、フロン類を冷媒に使う業務用のエアコンや冷凍冷蔵機器を「第一種特定製品」と呼びます。このうち、圧縮機を動かす電動機(原動機)の定格出力が7.5kW以上の機器が、定期点検の対象です。頻度は機器の種類と出力で変わります。
| 機器の種類 | 圧縮機の出力 | 定期点検の頻度 |
|---|---|---|
| 業務用エアコン(空調機器) | 50kW以上 | 1年に1回以上 |
| 業務用エアコン(空調機器) | 7.5kW以上50kW未満 | 3年に1回以上 |
| 冷凍冷蔵機器 | 7.5kW以上 | 1年に1回以上 |
| すべての業務用機器 | 7.5kW未満 | 定期点検はなし(簡易点検のみ) |
定期点検の対象になる機器も、簡易点検は別に必要です。3か月ごとの簡易点検はそのまま続け、それに加えて年1回または3年に1回、専門の点検を受ける形になります。簡易点検の中身はフロン排出抑制法の「簡易点検」とはにまとめています。
飲食店で対象になりやすい機器
個人経営の飲食店にある縦型冷蔵庫、コールドテーブル、製氷機の多くは、圧縮機の出力が7.5kWに届きません。こうした機器は簡易点検だけで足ります。
一方で、店の規模や設備によっては7.5kW以上にあたる機器もあります。
同じ種類の機器でも、機種によって出力は違います。ここに挙げたものが必ず対象になるとは限りません。思い込みで決めずに、次の節の方法で銘板を確かめてください。
銘板で出力を確かめる方法
環境省のよくある質問では、室外機の銘板にある「定格出力」「呼称出力」「電動機出力・圧縮機」といった欄を見るよう案内されています。
銘板に「●kW+●kW」のように2つの数字が書かれている場合は、一般に合計した値で判断します。ただし、冷媒の系統が分かれている機器もあります。インバーター機で定格出力の記載がないときは、圧縮機の最大出力で判断することになっています。分からない場合は、型式を控えてメーカーに確認してください。
定期点検は誰に頼めばいいか
定期点検は、法令で決められた方法で冷媒の漏れを調べる点検です。行うのは「十分な知見を有する者」とされています。社内の人でも社外の業者でもかまいません。
資格は必ずしも求められていません。ただ、環境省は、依頼する側や都道府県が知見の有無を判断しやすいように、例示された資格などを持っていることが望ましいとしています。業者に頼むときは、定期点検の実績と、点検にあたる人の資格や講習の受講歴を聞いておくと安心です。
点検では、発泡液や漏えい検知器で漏れを直接調べたり、運転中の圧力などのデータから漏れがないかを判断したりします。営業中の機器を止めて見る作業もあるため、定休日や仕込み前の時間に日程を合わせてもらうと、店への影響を小さくできます。
点検の記録と、漏れが見つかったとき
点検をしたら、機器ごとに記録を残します。様式は自由で、環境省のサイトに参考様式があります。作業者の欄には、実際に点検した人の氏名(法人なら名称)を書きます。
記録まわりで押さえておくこと
- 点検・修理の記録は機器ごとに残す
- 機器を使っている間は保存しておく
- 廃棄してフロン類の引き渡しが終わってから3年間保存
- 機器を譲るときは記録も一緒に引き継ぐ
- リース機器は、契約で保守の責任を負う側が管理者になる
- 都道府県や業者に求められたら速やかに見せる
定期点検で漏れが見つかったときは、できるだけ早く漏れている場所を特定して修理します。修理をしないまま冷媒を補充することは、原則として禁止されています。冷えが弱いからと冷媒だけ足して使い続けるのは、法律の面でも、機器の寿命の面でも避けるべき対応です。
冷えの弱りや霜の付き方の変化は、漏れに限らず故障の前ぶれでもあります。日ごろから気をつけたいサインは厨房機器が壊れる前のサイン、業務用エアコンの点検全体は飲食店の業務用エアコン、保守点検は必要?で紹介しています。
フロン点検と機器の保守は当社へご相談ください
豊翔メンテナンスサービスは、愛知県小牧市を拠点に、愛知・岐阜・三重の飲食店で業務用冷蔵庫・製氷機などの保守・修理と、業務用エアコンの洗浄(分解洗浄)を行っています。業界歴15年、メーカーを問わず対応しています。業務用エアコンの修理(部品の故障、冷媒の不足・漏れ)は承っていません。
「店の冷凍機や冷蔵庫が定期点検の対象か分からない」「冷えが弱く、漏れていないか心配」といった段階からご相談ください。機器の型式や銘板の写真を拝見して、確認の進め方をご案内します。定期点検そのもののご依頼も、機器の種類と台数を伺ったうえで対応の可否をお伝えします(業務用エアコンの定期点検は承っていません)。
年間保守契約では、簡易点検の項目と重なる異音・油にじみ・霜付き・温度もあわせて確かめます。お電話・Webでのご相談は無料です。料金はサービス・料金をご覧ください。
参照した公式情報:環境省「フロン排出抑制法ポータルサイト」(機器の点検/よくある質問)、長野県「フロン排出抑制法について」、広島県のフロン排出抑制法に関する資料(2026年10月確認)。詳しくは環境省・経済産業省の案内で確認してください。


