スチコンは、焼く・蒸す・煮込むを1台でこなせる便利な機器です。そのぶん、庫内には油や焼き汁が飛び、蒸気をつくる部分には水あかがたまっていきます。洗浄エラーや蒸気が弱いという相談で伺うと、掃除と水あかの手入れが追いついていないことが原因の一つになっている場合があります。

この記事では、閉店後の毎日の掃除と、週1回・定期の手入れを分けて説明します。手順や使える洗浄剤は機種によって違うので、実際の作業は取扱説明書の「お手入れ」の項目と合わせて確かめてください。

この記事のポイント

1毎日は自動洗浄+拭き掃除+扉を開けて乾かすの3つ

2週1回は排水口のフィルターとドアパッキンを見る

3蒸気が弱い・洗浄エラーが続くなら、蒸気をつくる部分の水あかを疑って点検を

汚れがたまる場所

最初に、汚れがたまりやすい場所を見ておきます。形は機種で違っても、汚れる場所はだいたい同じです。

蒸気部 奥のファン 油汚れがつきやすい ドアパッキン 汚れ・すき間で蒸気が漏れる 庫内の排水口 かすが詰まりやすい 蒸気をつくる部分 水あかがたまる
汚れがたまりやすい場所の例。位置や形は機種によって違います

庫内の油汚れは目に見えるので気づきやすいのですが、排水口のフィルターや、蒸気をつくる部分の水あかは見えにくい場所です。不調が出てから気づくことが多いので、ふだんの手入れに組み込んでおきます。

閉店後の毎日の掃除

毎日の掃除は、その日の最後の調理が終わってから始めます。運転直後の庫内は高温なので、表示や取扱説明書に従い、冷めてから手を入れてください。

かすを取る庫内の大きな汚れと排水口のごみを取る
自動洗浄機種の手順で洗浄剤をセットして運転
拭き上げ庫内とドアの内側、パッキンを拭く
扉を開けて乾かす閉め切らずに湿気を逃がす
  1. 大きな汚れとかすを取る:焦げや食材のかすを先に取り除くと、自動洗浄の効きがよくなり、排水口も詰まりにくくなります
  2. 自動洗浄を回す:自動洗浄のある機種は、取扱説明書で指定された洗浄剤・リンス剤を使います。残量が少ないと洗浄が途中で止まることがあるので、補充も忘れずに
  3. 拭き上げる:洗浄のあと、庫内とドアの内側、ドアパッキンを柔らかい布で拭きます
  4. 扉を少し開けて乾かす:閉め切ると湿気がこもり、においやカビのもとになります

自動洗浄が途中で止まる、エラーが出るときは、まず排水口のごみと洗浄剤の残量を確かめてください。くわしい確かめ方はスチコンの排水つまり・エラーの原因と対処にまとめています。

週1回・定期の手入れ

毎日の掃除に加えて、週に1回ほど次のところを見ておくと、不調に早く気づけます。頻度はお店の使い方で変わるので、下の表は目安です。

頻度の目安 場所 やること
毎日 庫内・ドアの内側 自動洗浄、拭き上げ、扉を開けて乾燥
毎日 庫内の排水口 かすやごみを取る
週1回 排水口のフィルター 外せる機種は外して洗う
週1回 ドアパッキン 汚れ・ひび・浮きがないかを見る
週1回 本体の外・まわり 排水ホースの折れ、床の濡れを見る
定期 蒸気をつくる部分 機種の手順で水あかを落とす。分解が要るものは点検で

ドアパッキンは、汚れたままにしておくと密着が悪くなり、蒸気が漏れて庫内の温度が安定しにくくなります。拭いても汚れが落ちない、ひびが入っている、という場合は交換の時期です。

水あか(スケール)対策

スチコンの手入れで見落とされやすいのが、蒸気をつくる部分の水あかです。水道水を温めて蒸気にすると、水に溶けていた成分が少しずつ残り、白い固まりになって内側にこびりつきます。これが増えると、熱が伝わりにくくなって蒸気が弱くなったり、水位や温度を見る部品がうまく働かなくなったりします。

水あかを放っておくと

  • 蒸気が弱くなり、蒸し料理の仕上がりが変わる
  • 温まるまでの時間が延びる
  • 水位や温度を見る部品の不調につながる
  • 修理のときに部品の交換が必要になることも

定期的に落としておくと

  • 蒸気の量が安定しやすい
  • 温まるまでの時間が延びにくい
  • 部品への負担が小さくなる
  • 不調に早く気づける

水あかの落とし方は、機種によって大きく違います。水あかを落とす運転や専用の薬剤が用意されている機種もあれば、分解しないと落とせない機種もあります。取扱説明書で指定された方法以外の薬剤は使わないでください。取扱説明書が見当たらないときは、型式が分かれば当社でご用意します(古い機種など用意できない場合もあります)。

水道水の成分は地域によって違うため、同じ機種でも水あかのたまり方はお店ごとに変わります。前より蒸気が弱い、温まるのが遅いと感じたら、水あかを疑ってみてください。

やってはいけない掃除

スチコンの掃除で避けること

  • 庫内が熱いうちに手を入れる
  • 本体の外側や操作パネルに水をかける
  • 金属たわしで庫内やパッキンをこする
  • 指定以外の洗剤や薬剤を使う
  • 違う種類の洗剤を混ぜる
  • カバーを外して内部の部品に触る

本体の外側に水をかけると、操作パネルや電気部品に水が入り、故障の原因になります。外側は固く絞った布で拭いてください。ほかの機器もあわせた掃除の予定は、厨房機器の清掃スケジュールで紹介しています。

スチコンの清掃・点検は当社へ

掃除をしても蒸気が弱い、洗浄エラーがくり返し出る、ドアから蒸気が漏れる、という場合は、内部の部品や蒸気をつくる部分の点検が必要なことがあります。豊翔メンテナンスサービスは、小牧市を拠点に愛知・岐阜・三重の飲食店で、スチコンをはじめとする業務用厨房機器の保守・修理を行っています。業界歴15年です。

定期点検では、蒸気の出方や排水、ドアパッキンの状態もあわせて確かめます。点検の中身は厨房機器の保守契約で何をしてくれる?をご覧ください。作業の内容や費用は、機種や状態で変わります。料金の考え方はサービス・料金にまとめています。

お電話・Webでのご相談は無料です。本体の銘板(ラベル)にある型式と、気になる症状を伝えていただくと、ご案内がスムーズです。