スチームコンベクションオーブン(スチコン)は、焼く・蒸す・煮込むを1台でこなす厨房の要です。だからこそ止まると仕込みが一気に滞ります。ここでは現場でよくある症状ごとに、原因と対処の目安をまとめました。
この記事のポイント
1洗浄エラーや水漏れは、まず排水のつまりから確かめる
2エラーコードは控えておく。取扱説明書がなければ型式から当社でご用意
3蒸気・温度の不調や消えないエラーは、内部の部品の点検が必要なことが多い
スチコンの症状別早見表
症状から、まず疑うところと、お店で確かめられることを引けるようにしました。くわしくは各節で説明します。
| 症状 | まず疑うところ | お店で確かめること |
|---|---|---|
| 自動洗浄が終わらない・洗浄エラー | 排水のつまり、給水・水量、洗浄剤の切れ | 庫内の排水口のごみ、洗浄剤の残量、給水の元栓 |
| 蒸気が出ない・弱い | 給水不良、蒸気発生部の水あか | 給水の元栓、断水していないか |
| 庫内が温まらない・焼きムラ | ヒーターやバーナー、温度センサー、ファン | エラー表示を控える(内部は点検へ) |
| 水漏れ・床が濡れる | 排水口や排水ホースのつまり、ドアパッキン | ホースの折れ、パッキンの汚れ |
| エラーコードが出る | 表示が示す箇所の不具合 | コードを控え、取扱説明書で意味を確かめる |
スチコンの排水が詰まったとき
排水が詰まると、自動洗浄が途中で止まったり、庫内の底に水が残ったり、本体の下が濡れたりします。洗浄エラーにも水漏れにもつながるので、不調のときは最初に排水を見てください。
排水つまりで出やすい症状
- 自動洗浄が最後まで終わらない
- 洗浄のあと、庫内の底に水が残っている
- 本体の下や床が濡れている
- 洗浄や排水のエラー表示が出る
確認は、電源を切り、庫内と排水が冷めてから始めます。運転直後は蒸気やお湯で高温になっているためです。
- 庫内の排水口:食材のかすなどのごみがたまっていないか。機種によっては排水口にフィルターがあり、ここが詰まると水が抜けず、エラーの原因になります。外し方は取扱説明書のお手入れの項で確かめてください
- 本体の外の排水ホース:折れたり、つぶれたりしていないか
- ホースの先の床の排水口:水の流れが悪くなっていないか
ここまで見ても水が抜けないなら、本体内部の排水経路や部品の不具合が考えられます。無理に分解せず、点検を依頼してください。
取扱説明書が見当たらないときは(マルゼン・フジマックなど)
お手入れの手順やエラーコードの意味は、機種ごとの取扱説明書に載っています。手元に見当たらないときは、当社にご相談ください。型式が分かれば、取扱説明書をご用意します。マルゼン・フジマックなど、メーカーを問いません。
取扱説明書のご依頼はこちらのフォームから、型式を書いて送ってください。古い機種など、ご用意できない場合もあります。そのときは、症状をお聞きして、お手入れの方法や修理をご案内します。取扱説明書が見つからなくても、修理のご依頼はそのまま承ります。料金はサービス・料金をご覧ください。
自動洗浄が完了しない・洗浄エラーが出る
もっとも相談が多い症状のひとつです。主な原因は次のとおりです。
- 給水・水量の異常:流量(フロー)センサーが水量を正しく検知できていない
- 洗浄剤・リンス剤の切れ、投入ホースの詰まり
- 排水のつまり:洗浄水がうまく抜けていない
エラーコード(メーカーにより「点検○○」などの表示)が出たまま使い続けると、洗浄が途中で止まり庫内に洗剤が残ることがあります。表示は控えておき、早めに点検を依頼してください。
蒸気(スチーム)が出ない・弱い
- 給水不良:元栓・給水フィルターの詰まり、断水
- ボイラー・蒸気発生部のスケール(水垢)付着:水質の影響で内部に水垢がたまる
- 温度・水位センサーの不良
蒸気系の不調は、水質と水垢が絡んでいることが多い症状です。
庫内が温まらない・焼きムラが出る
- ヒーター(電気式)/バーナー(ガス式)の不良
- 温度センサー・サーモの異常
- ファンモーターの回転不良:熱風が循環せず焼きムラに
水漏れ・床が濡れる
- 排水口・排水ホースのつまり
- ドアパッキンの劣化:蒸気・水が漏れる
- 給排水まわりの接続不良
エラーコードが表示される
エラーコードは、不具合の箇所を特定する大切な手がかりです。表示が出たまま使い続けず、コードをメモして早めに対応することで、機器への負担も抑えられます。
自分でできる確認
- 電源・給水・排水を確認:ブレーカー、給水の元栓、排水のつまり
- 洗浄剤・リンス剤の残量を確認し、補充する
- ドアパッキンの清掃:汚れ・変形で蒸気が漏れていないか
- エラーコードを控える:表示された番号・記号を記録
これで戻らない場合は、センサーやボイラーなど内部の部品が原因のことが多く、専門の点検が必要です。
自分でできるのは、ここまで
業者を呼ぶべき目安
- エラー表示が消えない/洗浄が最後まで終わらない
- 蒸気が出ない・庫内が温まらない
- 水漏れが続く
- 異音・異臭・焦げ臭さがある
営業に直結する機器なので、無理に使い続けず、早めに状態を確認してもらうのが安全です。型式・エラーコード・症状が出た時期を伝えていただくと、見立てが早くなります。伝え方は厨房機器の修理を頼むときに伝えることにまとめています。
予防のポイント
スチコンの不調は、水質(水垢)対策と定期的なメンテナンスで大きく減らせます。日々の自動洗浄に加え、ボイラーのスケール除去・ドアパッキンや排水の点検を定期的に行うことで、故障のリスクと修理費の両方を抑えられます。定期点検で何を見るかは厨房機器の保守契約で何をしてくれる?で紹介しています。気になる症状があれば、まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 排水の詰まりは自分で直せますか? A. 庫内の排水口やフィルターにたまったごみなら、取扱説明書の手順で取り除けることがあります。掃除しても水が抜けないときは、本体内部の詰まりや部品の不具合が考えられるため、点検をご依頼ください。
Q. エラーコードの意味はどこで分かりますか? A. 機種ごとの取扱説明書に載っています。取扱説明書が手元にないときは、型式とエラーコードを当社にお知らせください。取扱説明書のご用意も含めてご案内します。
Q. 自動洗浄が途中で止まってしまいました。どうすればいいですか? A. 表示されたエラーコードを控え、電源を切って庫内が冷めてから、排水口のごみと洗浄剤・リンス剤の残量を確かめてください。途中で止まると庫内に洗剤が残っていることがあるので、残っていないか確かめてから使います。同じエラーがくり返し出るときは、点検をご依頼ください。
Q. 取扱説明書がなくても修理を頼めますか? A. はい、ご依頼いただけます。本体の銘板にある型式と、症状をお知らせください。型式が分かれば、取扱説明書もご用意します。
