朝いちばんに業務用食洗機の扉を開けたら、むっとしたにおいがする。洗い上がりのグラスを鼻に近づけると、かすかに生臭い。お客様の口に触れる食器のことなので、気づいた日のうちに手を打ちたいところです。

食洗機のにおいは、庫内に残った汚れが原因のことがほとんどで、閉店後の手入れを見直すだけで消えることもあります。一方で、温度が上がっていない、排水がうまく流れていないといった機械側の不調が隠れていることもあります。においの種類から原因の見当をつけ、自分でできることと、業者に任せることを分けていきます。

この記事のポイント

1においの多くはゴミ受け・洗浄タンクに残った汚れ。閉店後の排水と清掃で減らせる

2下水のようなにおいは排水まわり、洗っても臭うなら温度や洗剤を疑う

3清掃しても消えない、温度が上がらない、水が残るときは点検を頼む

よくある原因

まず、どんなにおいかを確かめてください。生ごみや腐った水のようなにおいか、下水のようなにおいかで、疑う場所が変わります。

においの種類 疑う場所 よくある状態
生ごみ・腐った水のようなにおい ゴミ受け(ストレーナー)、洗浄タンク 残菜がたまったまま、タンクの水を一晩入れっぱなし
ぬめったような生臭さ タンクの内側、洗浄ノズル、扉のすき間 水あかや油の膜にぬめりが付いている
下水のようなにおい 排水ホース、排水口のまわり 排水が流れにくい、排水口から臭いが上がってくる
洗った食器に残るにおい 洗浄・すすぎの温度、洗剤 温度が足りない、洗剤が出ていない

ゴミ受けと洗浄タンクの汚れ

業務用食洗機の多くは、洗浄タンクにためたお湯をポンプで回して洗います。ゴミ受けに残菜がたまったまま、タンクのお湯を抜かずに一晩置くと、翌朝には汚れた水がにおいのもとになります。においの相談でいちばん多いのが、この状態です。

ぬめりと水あか

タンクの内側や洗浄ノズル(アーム)、扉のパッキンのすき間に、油と水あかが重なってぬめりが付くと、拭いても取れにくいにおいになります。洗浄ノズルの穴が詰まると洗いも弱くなるので、洗浄力が落ちたときと同じ原因が重なっていることもあります。

排水まわり

排水ホースの途中に汚れがたまったり、排水口のまわりで流れが悪くなっていたりすると、下水のようなにおいが食洗機のまわりに上がってきます。厨房全体の排水が臭う場合は、厨房の排水が流れない・悪臭がするときやグリストラップの状態もあわせて見てください。

温度と洗剤

洗浄やすすぎの温度が足りない、洗剤やリンス剤が切れている、といった状態だと、油汚れが落ちきらずに食器ににおいが残ります。ヒーターの不調で温度が上がらないこともあります。

今すぐできる対処法

自分でできるのは、汚れを落とすことと、温度や洗剤の状態を確かめることです。作業は電源を切り、タンクのお湯が冷めてから行ってください。部品の外し方は機種によって違うので、取扱説明書の手順に合わせます。取扱説明書が見当たらないときは、型式が分かれば当社でご用意します(古い機種など、ご用意できない場合もあります)。

タンクの排水閉店後にお湯を抜く
ゴミ受けの清掃残菜を捨てて洗う
庫内とノズルぬめりを落とし、ノズルの穴を見る
扉を開けて乾かす湿ったまま閉めきらない
  1. 閉店後にタンクのお湯を抜く:翌朝まで汚れた水を残さないことが、においを減らすいちばんの近道です
  2. ゴミ受けを外して洗う:残菜を捨て、網目に詰まった汚れをブラシで落とします
  3. 庫内と洗浄ノズルを洗う:ノズルを外せる機種は外し、穴の詰まりを取ります。タンクの内側や扉のすき間のぬめりも落とします
  4. 扉を少し開けて乾かす:閉めきると湿気がこもり、においが残りやすくなります
  5. 温度と洗剤を見る:温度表示が出る機種なら、洗浄とすすぎの温度がふだんどおり上がっているか、洗剤とリンス剤が切れていないかを確かめます

自分でやってよいこと

  • タンクの排水とゴミ受けの清掃
  • 取扱説明書どおりのノズルの取り外しと清掃
  • 庫内のぬめり落としと乾燥
  • 温度表示と洗剤の残量の確認

やらない方がよいこと

  • 種類の違う洗剤や薬剤を混ぜて使う
  • カバーを外して内部の配線やポンプに触る
  • においを香りでごまかして使い続ける
  • 水が残ったまま何日も様子を見る

塩素系の洗剤と酸性の洗剤が混ざると有毒なガスが出ます。洗浄に使う薬剤は1種類ずつ、表示どおりに使ってください。

自分でできるのは、ここまで

業者を呼ぶべき目安

清掃してもにおいが変わらないときは、機械の中に原因があるかもしれません。次のような状態なら、点検を頼んでください。

  • 毎日排水と清掃をしても、数日でにおいが戻る
  • 洗浄やすすぎの温度が上がらない、上がるのに時間がかかる
  • 運転が終わってもタンクや庫内に水が残る、排水が遅い
  • 下水のようなにおいが、食洗機の下や裏から上がってくる
  • においに加えて、異音や水漏れがある

温度が上がらない状態で使い続けると、食器のにおいだけでなく洗い残しにもつながります。水漏れがあるときは食洗機の水漏れの原因と応急処置も参考にしてください。当社は食洗機本体の点検と修理を受け持ちます。床下の排水管など、建物側の配管工事は行っていません。単発修理の料金の目安はサービス・料金をご覧ください。費用は機器や状態で変わります。

当てはまるものがあれば、お電話ください。

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予防のポイント

においは、たまった汚れが時間をかけて出すものです。毎日の閉店作業に手入れを組み込み、月に1回は少し手間をかけて見ると、においが出にくくなります。

においを出さない手入れ

  • 毎日:閉店後にタンクのお湯を抜く
  • 毎日:ゴミ受けの残菜を捨てて洗う
  • 毎日:扉を少し開けて乾かす
  • 入れる前:ひどい残菜は先に落とす
  • 月1回:洗浄ノズルの穴を確かめる
  • 月1回:扉のパッキンのぬめりを落とす

ヒーターやポンプの弱り、排水の流れの悪さは、毎日使っていると気づきにくいものです。定期点検で温度や給排水を確かめておけば、においや洗い残しが出る前に手を打てます。点検で何を見るかは保守契約で何をしてくれる?にまとめています。食洗機の調子が気になるときは、お電話(070-9010-9519)でご相談ください。お電話・Webでのご相談は無料です。

よくある質問

Q. 業務用食洗機が臭いとき、まず何をすればいいですか? A. タンクのお湯を抜き、ゴミ受けと洗浄ノズルを洗ってください。扉を少し開けて乾かすだけでも、においは減ります。それでも戻る場合は、排水や温度に原因があるかもしれません。

Q. 洗った食器から生臭いにおいがします。食洗機の故障ですか? A. 庫内のぬめりや残菜が原因のことが多く、故障とは限りません。ただ、洗浄やすすぎの温度が上がっていない場合は、ヒーターなど部品の不調が考えられます。清掃しても変わらなければ点検をご依頼ください。

Q. 食洗機の下水のようなにおいは、掃除で消えますか? A. 排水ホースや排水口まわりの汚れが原因なら、清掃で減ることがあります。食洗機の下や裏から上がってくる場合は、排水の流れを点検する必要があります。厨房の排水全体の臭いは排水の詰まり・臭いの原因と対処も参考にしてください。